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更新日:2026年10月31日

採用・人材 公開日 2026年10月31日

採用SNSの求人表示で注意すべき点|職業安定法と代行の確認事項

採用SNSの投稿でも、応募を呼びかけて条件を示せば求人の募集情報として職業安定法の的確表示義務がかかります。該当するケース、明示すべき労働条件、代行会社に任せる前の確認事項を発注側の視点で整理します。

結論から言います。採用SNSの投稿でも、応募を呼びかけたり労働条件を示したりすれば「求人の募集情報」として扱い、職業安定法のルールを守る必要があります。2022年10月施行の改正職業安定法で、求人情報には「的確表示義務」が明文化されました。ホームページやSNSなどインターネット上の表示も対象の方法に含まれます。運用を代行会社に任せても、募集を行う主体はあくまで自社です。この記事では、該当するケース、表示で守る点、代行会社に確認すべき事項を順に整理します。

本記事は2026年10月時点の一般的な整理です。個別の判断は厚生労働省の最新資料や労働局、社会保険労務士に確認してください。

SNS投稿が「募集情報」に当たるケース

職業安定法では、労働者を雇うために広告などで求人を呼びかけることを「募集」と呼びます。広告の方法には、新聞や雑誌だけでなく、ホームページなどのインターネットによる表示も含まれます。そのため、InstagramやX、TikTokなどの投稿も、内容によって募集情報になります。

判断の目安は「応募を促しているか」「労働条件を示しているか」の2点です。次の表で、よくある投稿を整理します。

投稿の例 募集情報としての扱い 発注側の対応
「スタッフ募集中」と月給・勤務地を書いた投稿 該当する 的確表示と労働条件の明示を徹底する
「応募はプロフィールのリンクから」と誘導するリール 該当する リンク先の求人票と内容をそろえる
社員インタビューの最後に「一緒に働く仲間を募集」と添える投稿 該当すると考えて扱う 給与や働き方に触れる部分の正確性を確認する
社内イベントや職場の雰囲気だけを伝える投稿 応募を促さなければ該当しにくい 実態と違う印象を与えない表現にする
ストーリーズの「急募」告知(24時間で消える) 該当する 消える投稿でも表示内容の記録を残す

判断が分かれる投稿は、募集情報として扱う方が安全です。

的確表示義務で守るべき3つのこと

改正職業安定法の第5条の4は、求人情報について次の3点を求めています。対象は求人を出す企業(募集者)だけでなく、求人メディアや職業紹介事業者も含みます。

  1. 虚偽の表示をしない:実際には募集していない求人や、存在しない条件を載せない
  2. 誤解を生じさせる表示をしない:一部だけを強調して、実態と違う印象を与えない
  3. 正確かつ最新の内容に保つ:募集を終えたら速やかに表示をやめる。条件を変えたら更新する

SNSで起きやすい失敗は、次のようなものです。

  • 「月給30万円以上」と書いたが、実際は一部の役職者だけの水準だった
  • 固定残業代を含む金額なのに、その内訳を書かなかった
  • 「残業ほぼなし」と書いたが、繁忙期の実態と合わない
  • 採用が終わった後も「募集中」の投稿やハイライトが残っている

固定残業代を含めて給与を示す場合は、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の時間数と金額、超えた分を追加で払う旨を書くのが原則です。SNSの短い文章ほど「良い数字だけ」が目立ちやすいため、投稿前のチェックが欠かせません。

また、虚偽の広告や虚偽の条件を示して募集した場合には、職業安定法に罰則の規定もあります。「SNSだから気軽に」という感覚は捨て、求人票と同じ重みで扱ってください。

求人で明示が必要な労働条件

職業安定法の第5条の3では、募集の際に労働条件を明示することを求めています。主な項目は次のとおりです。

  • 業務内容(2024年4月からは、将来の業務の変更の範囲も対象)
  • 契約期間(有期の場合は更新の基準。更新上限があればその内容)
  • 試用期間
  • 就業場所(2024年4月からは、就業場所の変更の範囲も対象)
  • 始業・終業時刻、時間外労働、休憩、休日
  • 賃金(固定残業代がある場合はその内訳)
  • 加入する保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)
  • 募集者の氏名または名称
  • 派遣労働者として雇う場合はその旨
  • 受動喫煙を防ぐための措置

SNSの投稿1本に、これらをすべて書くのは現実的ではありません。指針では、広告の掲載スペースが限られる場合などに、一部の条件を別に示すことも認めています。その場合は「詳しい条件は求人票で示す」と分かるようにし、求職者と最初に接触する時点までに、全項目を明示する必要があります。

実務では、次の形がおすすめです。

  • 投稿には「職種・勤務地・給与の目安・雇用形態・会社名」を書く
  • 「詳しい条件は応募ページへ」と明記し、全項目を載せた求人票へリンクする
  • 投稿とリンク先の数字や表現を必ず一致させる

代行会社に任せる前の確認事項

採用SNSを代行会社に頼む場合、投稿の作成や予約投稿は任せられます。しかし、労働条件の正しさを保証できるのは自社だけです。発注前に、次の5つを質問してください。

  1. 求人に触れる投稿は、公開前に誰が確認しますか? 人事担当の承認を必須にする流れがあるかを確認します。代行会社だけで公開まで進む体制は避けます。
  2. 給与や休日などの数字は、どの資料から引用しますか? 最新の求人票を「正」として、そこからだけ引用する決まりがあると安全です。
  3. 募集を締め切ったとき、過去の投稿やハイライトはどう処理しますか? アーカイブ、削除、「募集終了」の追記など、手順と期限を決めておきます。
  4. 固定残業代や「未経験歓迎」などの表現に、社内のNG例を反映できますか? 誤解を招きやすい表現のリストを共有し、投稿に反映できるかを確かめます。
  5. 代行会社の自社アカウントや自社メディアでも求人を拡散しますか? 代行会社が自社の媒体で求人情報を広く提供する場合、募集情報等提供事業など別のルールに関わることがあります。範囲を契約で明確にしてください。

社員が出演する投稿は、肖像権や退職後の扱いも別に決めておく必要があります。詳しくは採用SNSの社員出演は同意書が前提|肖像権と退職後の動画の扱いで整理しています。確認ルールを契約書に入れる際は、SNS運用代行の契約書チェックポイントも参考になります。

依頼先タイプ別の向き不向きと費用の見方

依頼先ごとに、求人表示のチェック体制には差があります。費用だけでなく、確認の流れまで含めて比べてください。

タイプ 費用レンジ 向いている会社 確認すべき点
内製(人事が自分で運用) 外部費用は小さく、人事の工数がかかる 求人の頻度が低く、人事が条件を把握している会社 投稿と求人票の更新漏れを防ぐ仕組み
採用特化型の代行会社 月額十数万〜数十万円が多い(範囲で差が大きい) 通年で採用し、媒体を複数使う会社 求人表示ルールの知識と、人事承認の流れ
総合型の代行会社 月額数万〜数十万円が多い 集客用と採用用のアカウントをまとめたい会社 採用投稿だけのチェック体制があるか
フリーランス 月額数万円〜が多い 投稿本数が少なく、社内で最終確認できる会社 不在時の代替体制、締切後の投稿処理
投稿単価型の制作代行 1本あたりの単価で発注 必要な時期だけ採用投稿を増やしたい会社 原稿の確認を自社で行う前提で回せるか

費用は、月額を「投稿1本あたり」と「応募1件あたり」に直すと比べやすくなります。たとえば月額20万円で月8本なら1本2.5万円です。その月の応募が5件なら、応募1件あたり4万円になります。求人媒体の掲載費と並べて判断してください。応募数は職種・地域・時期で大きく変わるため、1か月だけでなく数か月の平均で見ます。

代行を頼むべき会社は、次のような会社です。 - 採用投稿を週1本以上続けたいが、人事に作る時間がない - 職種や拠点が多く、投稿の企画や撮影に手が回らない

代行を頼まなくてよい会社は、次のような会社です。 - 年に数回の募集で、求人票の更新だけで足りる - 社内で投稿を作れており、課題が「条件の確認体制」だけである

採用広報の実績の見極め方は、採用SNSの代行会社の選び方|採用広報の実績を見極める質問リストで詳しく解説しています。

まとめ

  • 応募を促す、または労働条件を示すSNS投稿は、求人の募集情報として扱う
  • 虚偽・誤解を招く表示をせず、募集終了後や条件変更時はすぐに更新する
  • 投稿で書ききれない条件は求人票へ誘導し、最初の接触までに全項目を示す
  • 代行会社には「人事承認」「引用元」「締切後の処理」を発注前に確認する

次の行動として、まずは自社の採用投稿と最新の求人票を見比べ、数字のずれがないかを確認してください。

よくある質問

Q. 社員の日常を紹介するだけの投稿も、職業安定法の対象になりますか?

A. 応募の呼びかけや労働条件の記載がなければ、募集情報には当たりにくいです。ただし、プロフィールに求人リンクがある、文末に「募集中」と添えるなどの場合は、求人表示の一部として扱う方が安全です。実態と違う印象を与えない表現を心がけてください。

Q. 代行会社が作った投稿に誤りがあった場合、責任は誰にありますか?

A. 募集を行う主体は自社なので、表示の責任は原則として自社が負います。代行会社との間では、確認の手順や修正対応を契約で決めておくことが大切です。公開前の人事承認を必須にすると、誤りを防ぎやすくなります。

Q. 募集を終えた後の投稿は、すべて削除しなければいけませんか?

A. 法律は「正確かつ最新の内容に保つ」ことを求めています。削除のほか、アーカイブや「募集は終了しました」の追記などで、募集中と誤解されない状態にしてください。ハイライトや固定投稿は見落としやすいため、点検の対象に含めます。

Q. ストーリーズのように24時間で消える投稿でも注意が必要ですか?

A. 必要です。表示の期間が短くても、求人の内容を示せば募集情報になります。後から内容を確認できるよう、投稿した画像や文章を社内に保存しておくと安心です。

採用SNSの依頼先を比べる際は、求人表示のチェック体制まで含めて確認してください。発注前に見るべき項目は、資料請求(選び方ガイド・依頼前チェックリスト)にまとめています。運営元の株式会社HolyTechも、1本7,500円(税込)・初期費用0円の投稿単価型で、比較対象の1社として掲載しています。投稿の最終確認を自社で行える会社であれば、選択肢の1つとしてご検討ください。

この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。

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