治療院のSNS運用代行の選び方は、整体・整骨院・鍼灸院で根拠法と広告できる範囲が違う点を前提に、表現チェック体制と費用を確認することです。業態別の注意表現、比較表、代行会社への質問リストをまとめました。
結論から言います。治療院のSNS運用代行を選ぶときは、まず自院の業態に合う法律で表現をチェックできる会社かを確認してください。整骨院(柔道整復)、鍼灸院・マッサージ院(あはき)、民間資格の整体院では、根拠になる法律と広告できる範囲が違います。この違いを知らずに作った投稿は、保健所から指導を受けるおそれがあります。この記事では、業態別の注意点、代行会社のタイプ別比較、契約前に聞く質問、費用の見方を順に整理します。
整体・整骨・鍼灸で「広告できる範囲」が違う
治療院とひとくくりにされがちですが、法律上の扱いは業態で分かれます。まずは自院がどれに当たるかを確認します。
| 業態 | 主な根拠法 | 広告できる範囲の考え方 | SNSで特に注意する表現 |
|---|---|---|---|
| 整骨院・接骨院 | 柔道整復師法(第24条) | 法律と厚生労働省の告示に掲げられた事項に限られる | 施術の効果、施術者の経歴、「保険が使えます」の書き方 |
| 鍼灸院・マッサージ院 | あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法・第7条) | 同じく掲げられた事項に限られ、技能・施術方法・経歴は広告できないと条文に明記 | 「〇〇に効くツボ」「肩こりが治る鍼」などの効果表現 |
| 整体院・カイロ等(民間資格) | 上の2法の広告制限は直接かからない | 景品表示法(優良誤認)、ステマ規制、医師法などの一般ルールが中心 | 「治る」「改善率」など根拠のない効果表現、「マッサージ」の表記 |
整骨院・接骨院(柔道整復師法)
柔道整復師法では、広告できる事項が決められています。柔道整復師である旨、氏名、施術所の名称・所在地・電話番号、施術日や施術時間などです。告示では「ほねつぎ(接骨)」、予約制、休日・夜間の施術、出張施術などが加えられています。
保険(療養費)についても書き方の決まりがあります。脱臼・骨折の施術には医師の同意が必要な旨を明示する、といった条件付きでの記載とされています。SNSがそもそも広告に当たるかの考え方は、整骨院のSNSは広告規制の対象?柔整法とガイドラインの基本を整理で詳しく解説しています。
鍼灸院・マッサージ院(あはき法)
あはき法も、広告できる事項を限定しています。条文には、施術者の技能、施術方法、経歴は広告できないと明記されています。「独自の〇〇鍼法」「〇年の臨床経験」といった投稿は、内容次第で問題になります。
療養費の申請ができる旨も、医師の同意が必要な旨を明示する場合に限るとされています。
整体院・カイロプラクティック(民間資格)
民間資格の整体は、上の2法の広告制限が直接かかりません。ただし、自由に書いてよいわけではありません。根拠なく「必ず治る」と書けば、景品表示法の優良誤認に当たるおそれがあります。
無資格の施術で「マッサージ」と表示すると、あはき法との関係で問題になる場合があります。口コミや体験談を投稿に使うときは、整体院がSNSで口コミ・体験談を使う注意点も参考にしてください。
判断に迷う表現は、管轄の保健所に事前相談するのが確実な方法です。代行会社任せにせず、院として確認する流れを作っておきます。
SNS運用代行のタイプ別比較
代行会社は、得意分野で大きく5タイプに分かれます。費用は業種・商圏・依頼範囲で差があるため、目安の幅として見てください。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている店/院 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 治療院特化型 | 月額5万〜15万円程度が多い | 自費メニューを伸ばしたい整骨院・鍼灸院 | 自院の業態(柔整・あはき・整体)の法律に対応しているか |
| 医療・ヘルスケア特化型 | 月額8万〜20万円程度が多い | 複数院展開・医療機関と連携する院 | 医療広告の知識を治療院向けに置き換えられるか |
| 総合型 | 月額5万〜30万円程度と幅が広い | 撮影・動画・広告までまとめて任せたい院 | 担当者が柔整法・あはき法を知っているか |
| フリーランス | 月額3万〜10万円程度が多い | 個人院で投稿本数を絞りたい院 | 表現チェックを誰がするか、休止時の代わりはいるか |
| 内製+スポット支援 | 初期設計で数万〜十数万円程度 | スタッフに発信が得意な人がいる院 | 院内でチェックする人と基準を決められるか |
ポイントは「治療院に詳しい」という言葉だけで判断しないことです。整骨院と鍼灸院では見るべき条文が違います。自院の業態で具体的に答えられるかを確かめます。
契約前に聞きたい選定基準5つ
次の5つの質問をすると、表現リスクへの対応力と運用の中身が見えてきます。
- 「当院は〇〇(整骨院/鍼灸院/整体院)です。投稿でNGになる表現の例を3つ挙げてもらえますか?」 業態ごとの違いを具体的に言えるかで、知識の深さが分かります。
- 「投稿前の表現チェックは、誰がどんな基準で行いますか?」 チェック担当者と、確認に使う資料(法律・告示・チェックリスト)を聞きます。院側の最終確認の工程があるかも見ます。
- 「患者さんの声や施術写真を使うとき、同意の取り方はどうしていますか?」 同意書のひな形があるか、ステマ規制に沿った表記をしているかを確認します。
- 「何を成果の指標にして、毎月どう報告してくれますか?」 指標(KPI=目標を測る数字)が、フォロワー数だけでなく予約数や問い合わせ数につながっているかを見ます。
- 「保健所から指導を受けた場合、投稿の修正や削除はどこまで対応しますか?」 修正の範囲と費用、責任の分担を契約前に決めておきます。
すべてに明確に答えられる会社は多くありません。答えがあいまいな項目は、契約書や仕様書で補う前提で比較してください。
費用の見方と、頼むべき院・頼まなくてよい院
月額を「1本あたり」「新規来院1件あたり」に直す
月額だけで比べると、依頼範囲の違いが見えません。次の2つに直して比べます。
- 1本あたり=月額 ÷ 月の投稿本数 例:月額8万円で12本なら、1本あたり約6,700円です。
- 新規来院1件あたり=月額 ÷ SNS経由の新規来院数 例:月額8万円でSNS経由の新規が月4件なら、1件あたり2万円です。
新規来院1件あたりの費用は、自費メニューの単価や通院回数と並べて判断します。保険中心の院と自費中心の院では、許容できる金額が変わります。成果は業種・商圏・院の体制で差があるため、最初の3か月は計測の仕組みづくりと考えるのが現実的です。
表現チェックの費用が月額に含まれるかも確認します。別料金の場合、総額が大きく変わります。
頼むべき院
- 自費メニュー(骨盤矯正・美容鍼など)を伸ばしたい院
- 院長が施術で手一杯で、投稿が月数本で止まっている院
- 表現ルールに自信がなく、チェック体制ごと任せたい院
頼まなくてよい院
- 保険施術が中心で、地域の紹介や看板で十分に予約が埋まっている院
- 院内に発信が得意なスタッフがいて、チェック役も決められる院
- 予算が限られ、まずはGoogleマップの情報整備を優先したほうがよい院
まとめ
- 治療院のSNSは、整骨院は柔道整復師法、鍼灸院はあはき法、整体院は景品表示法などが基準になります。
- 代行会社は「治療院に詳しい」ではなく、自院の業態で具体的なNG例を言えるかで見極めます。
- 費用は1本あたり・新規来院1件あたりに直し、表現チェック費用の有無まで比べます。
- 次の行動として、まず候補2〜3社に上の5つの質問を送ってみてください。
よくある質問
Q. 院の公式インスタグラムの投稿も「広告」に当たりますか?
A. 来院を促す目的で、院名が分かり、誰でも見られる状態であれば、広告と判断される可能性が高いとされています。整骨院・鍼灸院では、法律で決められた事項の範囲で発信する前提で運用するのが安全です。判断に迷う場合は管轄の保健所に相談してください。
Q. 整体院なら、効果をうたう表現を自由に使えますか?
A. 使えません。柔道整復師法やあはき法の広告制限は直接かかりませんが、根拠のない効果表現は景品表示法の優良誤認に当たるおそれがあります。体験談の使い方にも注意が必要です。
Q. 代行会社が作った投稿で指導を受けたら、責任は誰にありますか?
A. 広告を出す主体である院側が責任を問われるのが基本です。そのため、院側の最終確認の工程を残し、修正・削除の対応範囲を契約書に書いておくことが大切です。
Q. 整骨院と鍼灸院を併設している場合はどうすればよいですか?
A. 両方の法律を確認する必要があります。施術ごとに書ける内容が違うため、投稿をメニュー別に分けて管理できる代行会社を選ぶと運用しやすくなります。
候補の会社を比べるときは、各社比較表で依頼範囲と料金体系を並べてみてください。発注前に使える確認項目は、資料請求(選び方ガイド・依頼前チェックリスト)からまとめて受け取れます。運営元のHolyTechも比較表の1社として掲載しており、1本7,500円(税込)・初期費用0円で依頼できます。投稿本数を絞って試したい院の選択肢の1つとして検討してください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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