整骨院のSNS投稿は、誘引性・特定性・認知性の3要件を満たすと柔道整復師法の広告規制の対象です。厚生労働省のガイドラインに沿って、広告と情報発信の線引き、避けたい表現、代行会社に確認すべき点を整理します。
結論から言います。整骨院のSNS投稿は、「誘引性・特定性・認知性」の3要件をすべて満たすと、柔道整復師法の広告規制の対象になります。 厚生労働省が2025年2月に策定した「あはき・柔整広告ガイドライン」は、一般公開のSNS投稿も広告になりうると明記しました。院のホームページは原則として広告に当たりませんが、SNSは扱いが異なります。ガイドラインに沿って「広告」と「情報発信」の線引きと、代行会社に確認すべき点を整理します。
整骨院の広告規制とガイドラインの基本
柔道整復師法は「広告できること」を限定している
柔道整復師法第24条は、広告できる事項を限定して列挙しています。列挙されていない事項は、原則として広告できません。「書いてはいけないこと」ではなく「書いてよいこと」が決まっている点が、一般の業種との大きな違いです。
ガイドラインが示す、柔道整復で広告可能な事項は次のとおりです。
- 柔道整復師である旨、氏名、住所
- 施術所の名称、電話番号、所在地
- 施術日、施術時間
- 厚生労働大臣が指定する事項(ほねつぎ・接骨、施術所開設の届出をした旨、医療保険療養費の支給申請ができる旨、予約制、休日・夜間の施術、出張施術、駐車設備)
施術の効果や患者さんの感想、割引キャンペーンは含まれていません。
ガイドラインの位置づけ
正式名称は「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針」です。2025年2月18日付の通知(医政発0218第1号)で示されました。
この指針は自治体への技術的助言で、保健所が指導する際の目安になります。柔道整復師法の違反には罰則規定があります。医療法・薬機法・景品表示法なども重ねて適用されることがあります。内容は改正される可能性があるため、投稿ルールを作る前に厚生労働省や都道府県の担当ページで最新版を確認してください。
SNSが「広告」になる条件|3要件で線引きする
ガイドラインは、次の3つをすべて満たすものを広告と判断するとしています。
- 誘引性:利用者を施術所に誘う意図がある
- 特定性:施術者名や施術所名が特定できる
- 認知性:一般の人が見られる状態にある
院の公式アカウントは特定性と認知性を満たしやすく、分かれ目は「誘引性」です。媒体ごとの扱いは次のとおりです。
| 媒体・情報 | ガイドライン上の原則 | 注意点 |
|---|---|---|
| 院のホームページ | 原則、広告に当たらない | 掲載すべきでない事項・掲載すべき事項が別途示されている |
| リスティング広告・バナー広告 | 広告に当たる | リンク先のホームページも一体として広告扱いになる |
| 一般公開のSNS投稿 | 3要件を満たせば広告 | 院名が分かり、来院を促す内容なら該当しやすい |
| 公開範囲を限定したSNS投稿 | 3要件を満たせば広告 | 反応で2次・3次に広がるため、認知性を満たすとされる |
| SNS広告・動画広告 | 広告に当たる | 広告可能な事項以外は載せられない |
| 患者さんが自発的に書いた感想 | 誘引性がなく広告ではない | 院の依頼・謝礼・関係者の投稿なら広告扱い |
「鍵アカウントだから大丈夫」とは言えない点に注意してください。
「情報発信」にとどまる投稿と「広告」になる投稿
判断が分かれやすいポイント
広告に当たると、広告可能な事項以外は載せられません。一方で、来院を促す意図のない一般的な情報提供は、誘引性を満たしにくいと考えられます。ただし最終的な判断は個別の内容で決まります。迷う投稿は、所管の保健所に事前相談してください。
目安として、投稿を3段階に分けて考えます。
- 広告可能な事項の告知:受付時間、休診日、予約方法、駐車場の案内など。広告に当たっても載せられる内容です
- 一般的な情報発信:自宅でできるストレッチの紹介、季節の体調管理の注意点など。院への誘導を強めず、効果を約束しない形にします
- 広告になりやすい投稿:「腰痛でお悩みの方はすぐご予約を」と効果をうたう投稿、初回割引の告知、施術前後の写真、患者さんの声など
広告に当たらなくても守るべき基準がある
ガイドラインは、広告に当たらないウェブサイト等についても「掲載すべきでない事項」を示しています。対象はインターネット上の施術所の情報全般です。SNSの投稿も、同じ基準で表現を見直すのが安全です。
自費メニューを発信する場合は、施術内容・通常必要な費用・主なリスクを分かりやすく示すことが求められています。料金に幅がある場合は、最低額から上限額までの範囲で示します。回数券を売る場合は、契約内容が正確に伝わる表示が必要です。ホームページとSNSの役割分担は整体院のホームページとSNSの役割分担も参考にしてください。
SNSで避けたい表現と写真の扱い
ガイドラインが「掲載すべきでない」とする例のうち、SNSで起こりやすいものを整理します。
- 効果を約束する表現:「治ります」「根本治療」「〇〇に効きます」「治癒率〇%」
- 安全や効果を言い切る表現:「痛みのない骨盤矯正」「驚きの効果」「安心安全・確かな技術」
- 数値で効果を示す表現:「〇%の満足度」「改善率〇%以上」「たった1回で効果を実感」
- 比較で優位を示す表現:口コミサイトでの順位、「全国優良〇〇院」、メディア掲載歴、著名人の来院
- 施術前後の写真:加工・修正した写真は虚偽、撮影条件を変えた写真は誇大として扱われます
- 感想の取捨選択:都合のよい感想だけを選んで強調する投稿、謝礼を払って書いてもらった感想
- 保険の誤解を招く表現:「どんな症状も保険が使えます」は誇大です。肩こりや筋肉痛は保険の対象外です
- あおる表現:早急な来院を過度に促す表現、安さの過度な強調
また、院が依頼して投稿してもらった口コミは、景品表示法のステマ規制の対象にもなります。口コミや体験談の扱いは整体院がSNSで口コミ・体験談を使う注意点で詳しく解説しています。
発信を任せる体制の比較|内製・代行のタイプ別
表現チェックを誰が担うかで、選ぶべき体制が変わります。費用は依頼範囲・投稿本数・地域で差があります。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている院 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 内製(院長・スタッフ) | 外注費はかからず人件費のみ | 院長が全投稿を確認できる院 | ガイドラインを読む時間と、最終確認者を決めているか |
| 総合型の運用代行 | 月額固定が中心。本数と範囲で差が大きい | 投稿量を増やしたい院 | 柔整の広告可能事項を理解した担当がいるか |
| 医療・治療院に強い運用代行 | 表現チェック込みで割高になりやすい | 自費メニューを発信したい院 | チェック担当者と、判断の根拠資料 |
| フリーランス | 1本単価か少額の月額が多い | 撮影・編集だけ頼みたい院 | 表現確認の責任をどちらが持つか |
代行会社を見極める5つの質問
- 柔道整復師法第24条と、あはき・柔整広告ガイドラインを前提に投稿を作っていますか?
- 投稿前の表現チェックは、誰が、どの基準で行いますか?
- 施術前後の写真、患者さんの声、キャンペーン告知はどう扱いますか?
- SNS広告と通常投稿で、載せる内容のルールを分けていますか?
- 保健所から指導を受けた場合の修正・削除の対応を、契約に書けますか?
費用の見方
月額料金は、投稿本数で割って1本あたりに直して比べます。そのうえで、表現チェックが料金に含まれるかを確認します。チェックなしのプランは、院長の確認の手間が増えます。来院1件あたりで見たい場合は、予約時に「何を見て来院したか」を聞いて、SNS経由の件数を数えます。
頼むべき院・頼まなくてよい院
- 頼むべき院:院長が投稿を確認する時間を取れない院、自費メニューの発信が多い院、SNS広告も回したい院
- 頼まなくてよい院:保険施術が中心で、休診や受付時間の告知が主な院。院長が自分で書いて確認できる院
まとめ
- 整骨院のSNS投稿は、誘引性・特定性・認知性を満たすと広告規制の対象です
- 広告に当たると、柔道整復師法第24条の広告可能な事項以外は載せられません
- 広告に当たらない投稿でも、ガイドラインの「掲載すべきでない事項」に沿って表現を見直します
- 外注するなら、表現チェックの担当と基準を契約前に確認してください。依頼前の確認項目は資料請求でまとめて受け取れます
よくある質問
Q. インスタグラムの鍵アカウントなら、広告規制の対象外ですか?
A. 対象外とは言えません。ガイドラインは、公開範囲を限定した投稿も反応によって2次・3次に広がるため、認知性を満たすと整理しています。誘引性と特定性も満たせば広告として扱われます。
Q. ホームページに載せている文章を、そのままSNSに転載してよいですか?
A. 注意が必要です。ホームページは原則として広告に当たりませんが、SNS投稿は3要件を満たすと広告になります。転載する文章に、広告可能な事項以外の内容が含まれていないか確認してください。
Q. 患者さんが書いてくれた口コミを、院のアカウントで紹介してよいですか?
A. 慎重に判断してください。院が選んで発信すると、誘引目的とみなされる余地があります。都合のよい感想だけを選んで強調することは、ガイドラインで掲載すべきでない事項とされています。迷う場合は所管の保健所に相談してください。
Q. 規制に違反すると、どうなりますか?
A. まず保健所などから行政指導を受けるのが一般的です。法律違反には罰則規定があり、景品表示法など他の法令が重ねて適用されることもあります。
Q. ガイドラインの最新版は、どこで確認できますか?
A. 厚生労働省のウェブサイトと、都道府県の担当ページで確認できます。改正に備え、定期的に見直してください。
SNS運用を外注するときは、投稿本数や料金だけでなく、表現チェックの体制で比べることが大切です。医療・治療院系の発信に対応する会社は各社比較表で、公式公開情報をもとに確認できます。依頼前に確認したい項目は、資料請求で選び方ガイドとチェックリストとしてお送りしています。株式会社HolyTechも、1本7,500円(税込)・初期費用0円のプランで比較表の1社として掲載しています。条件が合う場合の選択肢の1つです。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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