整骨院グループの多院SNS運用は、本部テンプレートと各院ローカル投稿の比率を先に決め、代行と役割を分けるのが基本です。比率の目安、院ごとの施術者資格の表記チェック、費用の見方を発注側の視点で整理します。
結論から言います。整骨院グループの多院SNS運用は、「本部テンプレート」と「各院ローカル投稿」の比率を先に決め、その比率どおりに代行会社と役割を分けるのが基本です。比率を決めずに外注すると、全院が同じ投稿になるか、院ごとにバラバラになるかに偏りがちです。出発点は本部6:ローカル4程度とし、院の状況に合わせて調整します。もう一つ重要なのが、院ごとの施術者資格の表記です。テンプレートを使い回して資格を誤って載せると、法令面と信頼面の両方で問題になります。
多院SNS運用で「比率」を先に決める理由
まず言葉をそろえます。本部テンプレートは、本部が作る全院共通の投稿です。グループの方針、セルフケアの解説、季節ごとの注意喚起などが当たります。ローカル投稿は、各院が自院の情報を出す投稿です。受付時間の変更、院内の様子、近隣のイベントなどが当たります。
比率を先に決める理由は3つあります。
- 統一感を守るため:院ごとに言葉づかいやデザインが違うと、同じグループだと伝わりません。
- 地域性を出すため:予約する人が知りたいのは「自分の街の院」の情報です。共通投稿だけでは来院のきっかけになりにくくなります。
- 工数と費用を読むため:ローカル投稿は院ごとに撮影や確認が発生します。テンプレートより1本あたりの手間が大きく、比率で費用が変わります。
アカウントの持ち方(本部1つ+各院、または各院のみ)も比率と一緒に決めます。考え方は業種が違っても共通なので、多店舗サロンの本部アカウントと店舗アカウントの設計も参考になります。
院の状況別:本部テンプレートとローカル投稿の比率の目安
比率は全院一律にせず、院の状況で変えるのが現実的です。次の表は設計の出発点となる目安です。
| 院の状況 | 本部:ローカル | 考え方 |
|---|---|---|
| 開院から半年以内 | 7:3 | 院の素材が少ないため、共通投稿で発信量を確保する |
| 運営が安定している院 | 5:5 | スタッフ紹介や院内の様子で「通いやすさ」を伝える |
| 自費メニューを強化中の院 | 6:4 | メニュー説明は本部で表現をそろえ、院では予約枠を案内する |
| 立地の特徴が強い院(駅前・郊外など) | 4:6 | 通勤客向け・家族向けなど、院ごとの来院理由を出す |
この比率は成果を約束するものではありません。反応は商圏や院の体制で差があります。3か月ごとに、院ごとの予約・問い合わせの数を見て見直します。
ローカル投稿の担い手も決めておきます。多いのは「院スタッフがスマホで素材を撮り、代行会社が編集と文章を担当する」分担です。院スタッフに求める作業は、月に何枚・何分までと上限を決めると続きやすくなります。
施術者資格の表記ミスを防ぐ:テンプレート運用の落とし穴
整骨院(柔道整復の施術所)は、柔道整復師法第24条で広告できる事項が限られています。鍼灸やマッサージを行う院は、あはき法の広告制限も関係します。SNS投稿がどこまで広告に当たるかの整理は、整骨院のSNSと柔整法・ガイドラインの基本で解説しています。
多院運用で起きやすい誤りは次のとおりです。
- 資格者の在籍を全院共通で書く:「国家資格者が施術します」をテンプレートで流すと、在籍状況が違う院でも同じ表記になります。
- 資格の種類を混同する:柔道整復師、はり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師(いずれも国家資格)と、整体・カイロなどの民間資格を同じ扱いで書いてしまいます。
- 医師と誤解される呼び方:「ドクター」などの表現は、医師と誤認させるおそれがあります。
- 異動・退職後の情報が残る:プロフィールや固定投稿に前任者の氏名と資格が残りがちです。
対策は、本部が院別の資格台帳を持つことです。台帳には氏名、資格の種類、免許の確認日、SNS出演の可否を載せます。代行会社は投稿前に台帳と照合し、台帳にない表記は出しません。免許そのものの確認は院側の責任です。代行任せにせず、異動のたびに本部が台帳を更新します。あわせて「治る」「必ず改善」などの効果を言い切る表現は、テンプレートの段階で一括して禁止しておきます。
代行のタイプ別比較と、見極めるための質問
多院の整骨院グループで選択肢になりやすいタイプを比べます。費用は院数・投稿本数・撮影の有無で大きく変わるため、目安として見てください。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている院 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 本部一括型(総合型の代行会社) | 1院あたり月3万〜10万円程度が多い | 5院以上で本部に窓口担当がいる | ローカル投稿まで対応範囲に入るか |
| 治療院に詳しい特化型 | 1院あたり月3万〜10万円程度が多い | 柔整法・あはき法の表現チェックを重視する | 確認体制が何段階か、資格照合の手順 |
| テンプレートのみ外注+各院で投稿 | 月2万〜5万円程度が多い | 各院に発信に前向きなスタッフがいる | 院ごとの投稿品質を誰が確認するか |
| フリーランス | 1本数千円〜が多い | 2〜3院で本数が少ない | 不在時の代わり、院数が増えたときの体制 |
| 内製(本部の広報担当) | 担当者の人件費 | 本部に専任を置ける | 撮影で各院を回る時間を確保できるか |
見極めには、次の5つを質問するのが近道です。
- 本部とローカルの比率を、院ごとに変えて運用できますか?
- 各院の施術者資格は、どの資料と照合してから投稿しますか?
- 柔整法・あはき法を踏まえた表現チェックは、誰が何段階で行いますか?
- ローカル投稿の素材は、院スタッフに何を・どの頻度で求めますか?
- 院ごとの予約・問い合わせの数を分けて報告できますか?
2と3に具体的な手順で答えられない会社は、多院運用では注意が必要です。治療院の業態ごとの確認点は、資料請求でお送りする依頼前チェックリストにもまとめています。
向き不向きと費用の見方
代行を頼むべきグループは、3院以上を運営し、院長や院のスタッフが施術で手一杯な場合です。本部に窓口となる担当者を1人置けると、確認の往復が減ります。
頼まなくてよい、または後回しでよいケースもあります。2院以下で院長自身が発信を楽しめている場合は、内製で足ります。保険施術が中心で、新患の集客をSNSに期待していない場合も急ぐ必要はありません。資格台帳が未整備なら、外注より先に台帳を作るべきです。
費用は月額だけで比べず、1本あたりと新患1件あたりに直して見ます。以下は計算方法を示すための仮の例です。
- 5院・月額25万円・各院月8本の場合:25万円÷40本=1本あたり6,250円
- 同じ条件で、SNS経由の新患が月20件の場合:25万円÷20件=新患1件あたり12,500円
ローカル投稿は撮影や院との調整が入るため、テンプレートより単価が上がりやすくなります。見積もりは「本部テンプレート」と「ローカル投稿」を分けて出してもらうと、比率を変えたときの費用が読めます。新患の数は業種・商圏・体制で差があるため、問診票の「来院のきっかけ」欄などで院ごとに数える仕組みを先に作っておきます。
まとめ
- 多院SNS運用は、本部テンプレートとローカル投稿の比率を先に決めてから外注します。
- 比率は院の状況で変え、3か月ごとに院別の予約・問い合わせで見直します。
- 施術者資格の表記は本部の資格台帳で管理し、代行任せにしません。
- 次の行動として、まず資格台帳と院ごとの比率案を作り、比較表で候補を絞り込んでください。
よくある質問
Q. 本部アカウント1つだけで運用してもよいですか?
A. 院数が少なく、商圏が重なっている場合は1つでも運用できます。院ごとに商圏が離れている場合は、各院の情報が埋もれやすくなります。その場合は院別アカウントか、本部アカウント内で院ごとの投稿枠を決める方法を検討します。
Q. 院長が顔出しをしたくない院はどうすればよいですか?
A. 手元や施術ベッド、院内の設備など、顔を出さない素材でもローカル投稿は作れます。出演の可否は資格台帳に記録し、代行会社と共有しておくと誤って掲載する事態を防げます。
Q. 資格表記の確認は代行会社に任せてよいですか?
A. 投稿前の照合は代行会社に任せられますが、元になる情報の正しさは院側の責任です。免許の確認と台帳の更新は本部が行い、代行会社はその台帳と照合する、という分担を契約時に決めておきます。
Q. 比率は途中で変えてもよいですか?
A. 変えて問題ありません。むしろ院の状況に合わせて見直す前提で設計します。比率を変えると費用も変わるため、見積もりを本部分とローカル分に分けておくと調整しやすくなります。
医療・治療系の表現チェックに対応する代行会社の情報は、各社比較表で公式公開情報をもとに整理しています。依頼前に確認したい項目は、資料請求でお送りする選び方ガイドと依頼前チェックリストにまとめました。運営元の株式会社HolyTechも、1本7,500円(税込)・初期費用0円のプランで比較表の1社として掲載しています。院数や比率の条件に合う場合の選択肢の一つとしてご覧ください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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