不動産会社がSNS運用代行に払う費用は、物件数・エリア数・動画の有無の3つで大きく変わります。月額の相場を要素ごとに分け、1本あたり・反響1件あたりに直して比べる方法と、見積もり前に確認したい質問をまとめました。
結論から言います。不動産会社のSNS運用代行の費用は「物件数×エリア数×動画の有無」でほぼ決まります。月額の総額だけを見て比べると、条件の違う見積もりを並べることになりがちです。この記事では、費用を要素ごとに分けて「1本あたり」「反響1件あたり」に直す方法を説明します。あわせて、物件情報の表示ルールに対応できる会社かを見極める質問も紹介します。
不動産のSNS運用代行の費用は3つの要素で決まる
不動産のSNS運用は、美容室や飲食店とは費用の構造が違います。投稿の中心が「物件」なので、物件が入れ替わるたびに素材と情報の確認が必要になるからです。
見積もりの中身は、おおむね次の要素に分けられます。金額は一般的な目安で、業種・商圏・体制によって差があります。
| 費用の要素 | よくある料金の目安 | 金額が変わる条件 |
|---|---|---|
| 初期設計(アカウント設計・投稿の型づくり) | 0〜20万円程度 | 売買・賃貸・注文住宅のどれを扱うか、媒体の数 |
| 静止画の物件投稿 | 1本数千円〜1万円台が多い | 写真の支給か撮影か、表示事項の確認の手間 |
| ショート動画(ルームツアー等) | 1本1万〜5万円程度が多い | 撮影の有無、編集の作り込み、ナレーションの有無 |
| 撮影の出張 | 半日数万円〜 | 移動距離、1回で回る物件数 |
| 月次レポート・改善提案 | 月額に含むことが多い | 反響の集計方法、打ち合わせの頻度 |
月額の合計では5万〜30万円程度の幅で提示されることが多いです。ただし、同じ月額でも中身は会社によって大きく違います。
物件数・エリア数・動画の有無で費用はこう変わる
物件数:入れ替わりの速さが手間を増やす
物件数が多いほど投稿本数が増え、費用も上がります。特に賃貸は入れ替わりが速いのが特徴です。成約済みの物件を残したままにすると、規約上の問題になります。そのため、「掲載を止める作業」まで代行に含めるかで工数が変わります。
エリア数:アカウントの分け方で費用が倍になる
複数の店舗やエリアを持つ会社は、アカウントを分けるかどうかが費用の分かれ目です。エリアごとにアカウントを作ると、投稿・レポートがアカウントの数だけ必要になります。一方、1アカウントにまとめると地域の情報が薄くなります。最初は反響が多いエリアだけに絞る方法もあります。
動画の有無:撮影に行くかどうかで単価が変わる
ルームツアー動画は、静止画より反響(問い合わせ・内見予約)につながりやすい傾向があります。ただし効果は物件の種類や商圏で差があります。費用面では、自社スタッフがスマホで撮った素材を送り編集だけ頼むか、撮影から頼むかで単価が大きく変わります。動画の単価の考え方はショート動画制作代行の費用相場も参考になります。
| 依頼パターン | 内容の例 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 小規模・静止画中心 | 1エリア・物件投稿月8〜12本 | 5万〜10万円程度 |
| 中規模・動画あり | 1〜2エリア・静止画8本+動画4本 | 10万〜20万円程度 |
| 多店舗・撮影込み | 複数エリア・撮影出張つき | 20万〜30万円以上 |
※あくまで目安です。業種・商圏・体制によって差があります。
依頼先タイプ別の比較表
不動産のSNS運用は、依頼先のタイプで得意なことが違います。社名ではなくタイプで比べると、自社に合う相手を絞りやすくなります。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている会社 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 不動産特化型 | 月10万〜30万円程度 | 物件数が多い・表示ルール対応を任せたい | 公正競争規約のチェック体制、成約済み物件の削除フロー |
| 動画特化型 | 1本1万〜5万円程度 | ルームツアーで差をつけたい | 撮影の出張範囲、物件情報の表示まで見てくれるか |
| 総合型 | 月5万〜20万円程度 | 広告やLINEもまとめて頼みたい | 不動産の実績、担当者が業界の用語を理解しているか |
| フリーランス | 月3万〜10万円程度 | 1店舗・静止画中心で始めたい | 急な休みへの対応、表示事項の確認を誰がするか |
| 内製(自社スタッフ) | 人件費のみ | 撮影・投稿に割ける人がいる | 担当者が辞めたときの引き継ぎ、規約の社内研修 |
業種別の選び方の違いは不動産のSNS運用代行の選び方で詳しく整理しています。
費用の見方:月額を1本あたり・反響1件あたりに直す
見積もりを比べるときは、月額をそのまま比べないことが大切です。次の2つに直すと、条件の違う見積もりでも並べられます。
① 1本あたりの単価に直す 例:月額15万円で、静止画8本+動画4本=12本の場合、1本あたり12,500円です。動画と静止画を分けて単価を出すと、より正確に比べられます。
② 反響1件あたりに直す 例:同じ月額15万円で、SNS経由の問い合わせ・内見予約が月3件なら1件あたり5万円です。これを自社の「1成約あたりの粗利」や、ポータルサイト経由の反響単価と比べます。
注意点として、SNSは成果が出るまで数か月かかることが多いです。最初の1〜2か月の数字だけで判断せず、3〜6か月の推移で見るのが現実的です。どの指標をどう測るかは、契約前に代行会社と合意しておきましょう。
見積もり前に聞くべき5つの質問
不動産の場合、費用と同じくらい大事なのが表示ルールへの対応です。物件情報をSNSに載せる場合も、「不動産の表示に関する公正競争規約」の対象になります。たとえば、成約済み物件の掲載を続けること(おとり広告)や、根拠のない「格安」「掘出」などの用語は規約で制限されています。徒歩所要時間の表示方法なども決まっています。違反時に責任を問われるのは、発注した不動産会社です。
次の5つを聞くと、費用の中身と対応力を見極めやすくなります。
- 物件投稿の必要な表示事項は、誰がどの段階で確認しますか?(代行側にチェック担当がいるか、自社の確認待ちになるか)
- 成約済み・募集終了の物件は、何日以内にどう削除・修正しますか?(追加料金の有無も確認)
- 見積もりの「一式」を、静止画・動画・撮影・レポートに分けて出せますか?
- エリアやアカウントを増やすと、いくら上がりますか?(段階ごとの料金表があるか)
- 反響はどの数字で、どう測って報告しますか?(問い合わせ・内見予約・LINE登録など、何を数えるか)
1と2にはっきり答えられない会社は、安くても後から自社の確認作業が増える可能性があります。
頼むべき会社・頼まなくてよい会社
代行を頼むべき会社 - 物件数が多く、社内に投稿や撮影の時間を取れる人がいない - 複数エリアに店舗があり、発信の質をそろえたい - 動画を始めたいが、撮影・編集のノウハウが社内にない
まだ頼まなくてよい会社 - 扱う物件が月に数件で、紹介中心で集客できている - 物件写真やルームツアーを撮れるスタッフが社内にいる - 反響をどう測るかがまだ決まっていない(まず測り方を決めるのが先です)
迷う場合は、静止画中心・1エリアの小さな範囲から始めましょう。その後、反響を見て動画やエリアを足す方法が無理のない進め方です。
まとめ
- 不動産のSNS運用代行の費用は「物件数×エリア数×動画の有無」で決まります。
- 月額だけでなく、1本あたり・反響1件あたりに直して比べましょう。
- 公正競争規約に沿った表示確認と、成約済み物件の削除フローを必ず確認します。
- 次の行動として、複数社の見積もりを同じ条件で取り、要素ごとに分けて並べてみてください。
よくある質問
Q. 不動産のSNS運用代行は月いくらから頼めますか?
A. 静止画中心・1エリアなら月5万円前後から提示されることが多いです。ただし投稿本数や写真を自社で用意するかで変わります。業種・商圏・体制によって差があります。
Q. 物件写真は自社で撮ったものを渡しても大丈夫ですか?
A. 多くの代行会社で対応しています。写真を支給すると撮影費がかからない分、費用を抑えられます。画質や構図の目安を事前に共有してもらうと、仕上がりが安定します。
Q. 公正競争規約の違反は、代行会社の責任になりますか?
A. 広告主として責任を問われるのは、基本的に発注した不動産会社です。代行会社のチェック体制を確認したうえで、最終確認は自社でも行う運用をおすすめします。
Q. 成果報酬型で頼むことはできますか?
A. 反響数に応じた料金体系を用意する会社もあります。ただし「反響」の定義があいまいだとトラブルになりやすいです。何を1件と数えるかを契約前に決めておきましょう。
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この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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