採用SNSの効果測定は応募数だけでは不十分です。応募経路・書類通過率・面接通過率・内定承諾率・定着率までSNS経由で追う計測設計と、運用代行に求める月次報告の項目を、採用担当者向けにわかりやすく解説します。
結論から言います。採用SNSの効果測定は「応募数」で止めず、SNS経由の応募者が面接を通り、入社し、定着したかまで追う設計にしてください。応募数だけを見ると、条件に合わない応募が増えただけでも「成果が出た」と判断してしまいます。逆に応募数が少なくても、面接通過率や定着率が高ければ、SNSは採用費を下げる経路になっています。この記事では、SNS経由の応募者を入社後まで追う計測の仕組みと、運用代行に毎月出してもらうべき報告の項目を整理します。
採用SNSで応募数だけを見てはいけない理由
採用SNSの目的は「投稿を見てもらうこと」ではなく「自社に合う人に入社してもらうこと」です。ところが、代行の月次報告がフォロワー数や再生数、応募数で終わっているケースは少なくありません。
応募数だけでは、次のような状況を見分けられません。
- 応募は増えたが、書類の段階で大半が条件に合わない
- 面接には来るが、仕事内容の理解がずれていて辞退が多い
- 入社はしたが、数か月で辞めてしまう
SNSは職場の雰囲気や社員の人柄を伝えやすい媒体です。そのため「イメージと違った」というずれを減らす効果が期待できる一方、見せ方を誤ると、ずれを広げることもあります。だからこそ、選考の後半と入社後まで数字で確かめる必要があります。
KPI(重要業績評価指標=成果に近づいているかを測る目安の数字)全般の決め方は、SNS運用代行のKPI設定方法|業種別に追うべき指標と目標の決め方でも解説しています。
SNS経由で追うべき指標は5段階
採用SNSで見る指標は、応募の前と後に分けると整理しやすくなります。次の5段階を、SNS経由の応募者だけで集計します。
| 段階 | 見る指標 | 何がわかるか |
|---|---|---|
| ① 認知・関心 | プロフィールへのアクセス数、採用ページへの移動数 | 投稿が求職者の関心を引いているか |
| ② 応募 | SNS経由の応募数、採用ページからの応募率 | 関心が行動につながっているか |
| ③ 選考 | 書類通過率、面接通過率 | 自社の条件に合う人が来ているか |
| ④ 入社 | 内定承諾率、入社数 | 他社と比べて選ばれているか |
| ⑤ 定着 | 入社3か月・6か月・1年時点の在籍率 | 入社前の期待と実際がずれていないか |
再生数やいいね数は①の手前の参考値です。報告書に載っていて構いませんが、判断の中心に置かないようにしてください。
なお、SNS経由とそれ以外(求人媒体・紹介など)の数字を並べて比べると、SNSの役割が見えてきます。たとえば「応募数は求人媒体より少ないが、面接通過率と定着率は高い」という結果なら、SNSは数より質で貢献している経路です。ただし、どの経路が優れるかは職種・地域・募集時期で差があり、一般的な正解はありません。
SNS経由の応募者を入社後まで追う計測設計
SNS経由かどうかが記録されていなければ、③以降の数字は出せません。次の手順で仕組みを作ります。
- リンクに識別タグを付ける SNSのプロフィールや投稿から採用ページへ飛ぶリンクに、UTMパラメータ(どこから来たかを記録するためにURL末尾に付ける文字列)を付けます。Instagram用、TikTok用、X用と分けると、媒体ごとの比較ができます。
- 応募フォームに「知ったきっかけ」の設問を入れる リンクを経由せず、SNSを見たあとに検索して応募する人もいます。タグだけでは拾えないため、選択式の設問で補います。
- 応募者の管理表に「経路」の列を作る 応募管理システムやスプレッドシートに経路を記録し、書類・面接・内定・入社・在籍の各結果を同じ行に残します。これで③〜⑤の数字が集計できます。
- 集計する担当を決める 選考結果や在籍状況は社内にしかない情報です。代行会社が見られるのは①②まで、という前提で、③以降は社内で集計して代行に共有するのか、どこまで共有するのかを決めておきます。
- 応募者の個人情報の扱いを確認する 代行会社に渡すのは「経路別の人数・率」などの集計値に限り、氏名などの個人情報は渡さない運用が安全です。社内の個人情報の取り扱いルールに沿っているかも確認してください。
採用は応募から入社まで1〜3か月かかることも珍しくありません。定着率まで含めると、評価には半年〜1年の期間が必要です。短期の数字だけで契約継続を判断しないよう、評価の時期も最初に決めておきましょう。
運用代行に求める月次報告の中身
代行会社を選ぶときは、報告の中身を事前に確認することが大切です。契約前に次の質問をしてみてください。
- 報告書のサンプルを見せてもらえますか? 再生数・フォロワー数だけで終わっていないかを確認します。
- 採用ページへの移動数とSNS経由の応募数まで報告に含まれますか? ①②を代行側で計測できるかの確認です。
- 社内で集計した選考結果を共有したら、改善案に反映してもらえますか? ③以降の数字を投稿の内容に生かせるかがわかります。
- 応募が増えても通過率が下がった場合、どう見直しますか? 数を追うだけの運用か、質まで見る運用かを判断できます。
- 求人の条件や待遇を投稿で扱うとき、誰が内容を確認しますか? 職業安定法では求人情報を正確・最新に保つことが求められています。給与や勤務条件の表記を誰がチェックするかを決めておきましょう。
社員が出演する投稿を作る場合は、同意の取り方も事前に決めておく必要があります。詳しくは採用SNSの社員出演は同意書が前提|肖像権と退職後の動画の扱いをご覧ください。
依頼先タイプ別の費用と見るべき点
採用SNSの依頼先は、主に4タイプに分かれます。費用は依頼範囲・投稿本数・媒体数で大きく変わるため、以下は目安の幅です。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている会社 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 採用特化型 | 月額20万〜50万円程度が多い | 採用人数が多い、選考データまで連携したい | 選考データを改善に使う体制があるか |
| 総合型 | 月額10万〜40万円程度が多い | 集客と採用の両方でSNSを使う | 採用向けの報告項目を用意できるか |
| 動画・投稿単価型・フリーランス | 1本数千円〜数万円、月数万円からも | 少人数採用、社内で計測と分析ができる | 計測と報告が依頼範囲に入っているか |
| 内製 | 担当者の人件費+ツール費 | 社内に発信と分析の担当を置ける | 担当者の異動や退職で止まらないか |
費用を比べるときは、月額をそのまま比べず、次のように直します。
- 1本あたり:月額 ÷ 月の投稿本数
- 応募1件あたり:月額 ÷ SNS経由の応募数
- 入社1人あたり:半年〜1年の総額 ÷ SNS経由の入社数
仮の数字で試算します。月額15万円で、半年間にSNS経由の入社が3人なら、入社1人あたりは30万円です。この数字を、求人媒体や紹介の1人あたり採用費と比べます。ただし、結果は職種・地域・会社の知名度・社内の協力体制で大きく変わります。あくまで比べ方の例として見てください。
アルバイト採用での費用の考え方は、アルバイト採用をSNSで強化|求人媒体費を下げる運用代行の活用で詳しく解説しています。
まとめ
- 採用SNSは、応募数ではなく「SNS経由で入社し、定着した人数」まで追って評価します
- リンクの識別タグ、応募フォームの設問、経路の列がある管理表の3つで計測の土台を作ります
- 代行を選ぶ前に、報告書のサンプルと、選考データを改善に生かせるかを確認しましょう
次の行動として、まずは自社の応募管理表に「経路」の列があるかを確認してください。
よくある質問
Q. 定着率まで追うと、評価に時間がかかりすぎませんか?
A. 時間はかかります。そこで、毎月の評価は①〜③(応募と面接通過率)で行い、半年後・1年後に④⑤(入社・定着)を振り返る2段構えにするのがおすすめです。
Q. 代行会社に選考結果を共有しても問題ありませんか?
A. 氏名などの個人情報は渡さず、「SNS経由の面接通過率◯%」のような集計値で共有する方法が安全です。共有の範囲と扱いは、契約書や秘密保持の取り決めで明確にしておきましょう。
Q. 応募数が少ない月は、代行を見直すべきですか?
A. 1か月の応募数だけで判断するのは早いです。採用は募集時期の影響を受けます。面接通過率や応募の質も合わせて、3か月程度の推移で判断してください。見直す場合の手順は、比較表とあわせて資料でも整理しています。
Q. 少人数の採用でも、ここまでの計測は必要ですか?
A. 年に数人の採用でも、経路の記録だけは必ず残してください。人数が少ないと率は大きくぶれますが、経路の記録が数年分たまれば、SNSに予算をかけ続けるべきかを判断する材料になります。
採用SNSの依頼先を検討している方は、資料請求から選び方ガイドと依頼前チェックリストを受け取れます。報告項目や費用の見方を、社内の検討資料としてそのまま使えます。株式会社HolyTechも選択肢の1つとして、ショート動画1本7,500円(税込)・初期費用0円で運用代行を提供しています。依頼範囲は自社の採用体制に合わせて比較・検討してください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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