採用広報を内製するか外注するかは、人事の工数と年間の採用目標で決めるのが基本です。人事1人体制・兼任チーム・専任チームの規模別に、内製と外注の分担モデル、費用の見方と前提条件、外注先への確認点を解説します。
結論から言います。採用広報は「全部内製」か「全部外注」かで選ぶより、人事の工数と採用目標に合わせて作業を分けるほうがうまくいきます。 社員の声や社風など中身の素材は社内で集めます。撮影・編集・投稿作業は外に出します。この分け方がどの規模でも基本になります。 本記事では、人事1人体制・兼任チーム・専任チームの3つの規模別に分担モデルを示します。あわせて、費用を前提条件つきで比べる方法も解説します。
内製か外注かは「工数」と「採用目標」の2軸で決める
判断に使う軸は2つです。1つ目は、人事が採用広報に使える時間が月に何時間あるかです。2つ目は、年間で何人を、いつまでに採用したいかです。
採用広報の作業は、大きく次の4つに分かれます。
- 企画:誰に何を伝えるかを決める(求める人物像・訴求ポイント)
- 素材集め:社員インタビュー、職場の写真、仕事内容の情報を集める
- 制作:撮影・動画編集・文章作成・デザイン
- 運用と振り返り:投稿、コメント対応、応募数などの効果測定
このうち「素材集め」は社内の人にしかできません。一方、「制作」は専門スキルと時間が必要で、外に出しやすい作業です。 工数が足りないなら制作から外注します。採用目標が高いなら、企画の段階から外部の知見を借ります。この順番で考えると、判断がぶれにくくなります。
規模別の分担モデル|人事1人・兼任チーム・専任チーム
体制の規模ごとに、無理なく続けられる分担の目安をまとめました。あくまで目安です。業種・採用職種・地域で最適な形は変わります。
| 体制 | 社内でやること | 外に出すこと | 向いている採用状況 |
|---|---|---|---|
| 人事1人体制(他業務と兼務) | 素材の提供、投稿内容の最終確認 | 企画の型づくり、撮影・編集、投稿作業 | 年に数名の採用、急ぎの欠員補充 |
| 兼任チーム(人事+現場の協力者) | 企画、社員への取材、テキスト作成 | 動画編集、デザイン、撮影日だけの手配 | 毎年一定数の採用、職種が複数ある |
| 専任チーム(採用広報の担当者がいる) | 企画から運用まで全般 | 繁忙期の制作の上乗せ、広告運用、改善の助言 | 新卒・中途を通年で採用、ブランドづくりを重視 |
人事1人体制では、採用広報だけに時間を割けません。投稿が止まると、応募者が見たときの印象が悪くなります。そのため、作業の大半を外に出し、確認役に徹するほうが続きやすくなります。
兼任チームでは、現場の社員が素材を出せることが強みです。時間がかかる動画編集だけを外注すると、費用を抑えながら質を保てます。
専任チームでは、内製が基本です。外注は「足りない分を補う」使い方になります。ノウハウが社内に残るため、長く続けるほど内製の利点が大きくなります。内製と外注の長期コストの考え方は、SNS運用の内製と外注を比較|3年の総コストとノウハウ蓄積で判断も参考にしてください。
選択肢ごとの比較表と向き不向き
外注先にはいくつかのタイプがあります。費用レンジは依頼範囲で大きく変わるため、幅で示しています。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている会社 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 内製 | 人件費と機材費(外部費用は少ない) | 専任担当がいる、長期で続けたい | 担当者の異動・退職で止まらないか |
| 採用特化型の代行会社 | 月額数万〜数十万円が多い(範囲で差が大きい) | 採用目標が高く、企画から相談したい | 求人表示のルールに詳しいか、効果測定の方法 |
| 動画特化型の制作会社 | 1本単位、または月額パックが多い | 素材は社内で用意でき、編集だけ頼みたい | 修正回数、BGMや素材の権利 |
| 総合型のSNS代行会社 | 月額数万円〜(投稿本数で変動) | 採用と集客を同じ窓口でまとめたい | 採用向けの発信実績があるか |
| フリーランス | 1本単位の依頼が多い | 少量から試したい | 稼働が止まったときの代わりの体制 |
外注を検討すべき会社 - 人事が他の業務と兼務で、採用広報に月10時間も取れない - 採用の期限が決まっていて、半年以内に発信を軌道に乗せたい - 動画編集やデザインのスキルを持つ社員がいない
外注しなくてもよい会社 - 採用人数が年1〜2名で、求人媒体と紹介で充足できている - 社内に発信が得意な社員がいて、本人も前向きに取り組める - 発信したい中身(社員の声・職場の様子)がまだ固まっていない
最後の点は見落とされがちです。中身が決まっていないまま外注すると、見た目は整っても応募につながりにくくなります。
費用の見方|月額を「1本あたり」「応募1件あたり」に直す
費用は月額だけで比べず、単価に直して比べます。ここでは計算方法を示します。以下の数値はすべて説明用の仮定です。 実際の金額は、自社の人件費と見積もりで置き換えてください。
前提条件(仮定) - 人事担当者の人件費を時給換算で3,000円とする(社会保険料などを含む想定) - 動画1本の制作に、内製では企画・撮影・編集で合計5時間かかるとする - 月に4本投稿するとする - 機材費・ソフト代・広告費は含めない
内製の場合の計算例 3,000円×5時間×4本=月6万円。1本あたり1.5万円の人件費がかかる計算です。 ただし、これは見えにくいコストです。この20時間でできなかった面接や面談の機会も考える必要があります。
外注の場合の見方 見積もりの月額を投稿本数で割り、1本あたりに直します。さらに、社内で残る作業(素材集め・確認)の時間も足します。外注しても社内の工数はゼロになりません。
応募1件あたりで見る 月の費用を、SNS経由の応募数で割ります。応募数は業種・職種・地域で大きく差があります。最初の3か月は数字が安定しないため、半年ほどの平均で判断します。 応募数以外に見るべき指標は、採用SNSの効果測定とKPI|応募数以外に見るべき指標と代行の報告で解説しています。
外注先を見極める質問4つ
契約前に、次の4つを聞いてみてください。答え方で、採用広報への理解度が分かります。
-
「求人情報の表示ルールをどう確認していますか?」 採用の発信には、職業安定法による「募集情報の的確な表示」の考え方が関わります。給与や勤務条件を実態とずれた形で見せないよう、表現チェックの体制があるかを確認します。
-
「社員が出演するとき、同意書はどう扱いますか?」 社員の顔や声を使う発信では、本人の同意が前提です。退職後の動画の扱いも事前に決めておきます。詳しくは採用SNSの社員出演は同意書が前提|肖像権と退職後の動画の扱いをご覧ください。
-
「社内でやる作業と、御社がやる作業の線引きは?」 素材集めや確認の負担がどれだけ社内に残るかを聞きます。人事1人体制なら、この負担が小さいことが重要です。
-
「解約後、作った動画やアカウントは誰のものになりますか?」 成果物の権利とアカウントの管理者を確認します。内製に切り替えるときに、過去の資産を使えるかが変わります。
あわせて、社員に会社の依頼で投稿してもらう場合は、会社の発信だと分かる形にしておくと安心です。ステマ規制の観点から、外注先がこの点を理解しているかも見ておきます。
まとめ
- 採用広報は「素材は社内、制作は外」を基本に、規模に合わせて分担を決めます。
- 人事1人体制は外注中心、兼任チームは編集のみ外注、専任チームは内製中心が目安です。
- 費用は前提条件を明記し、1本あたり・応募1件あたりに直して比べます。
- 次の行動として、まずは自社の「月に使える工数」と「年間の採用目標」を書き出し、外注先への質問リストを準備してください。
よくある質問
Q. 人事1人体制でも、採用広報を内製で続けられますか?
A. 続けることはできますが、投稿の頻度を下げるなど範囲を絞る必要があります。月2本など無理のない本数から始め、手が回らない作業だけを外に出す方法もあります。
Q. 外注すれば応募数は増えますか?
A. 外注だけで応募数が増えるとは言えません。応募数は職種・給与水準・地域・発信の中身で大きく変わります。外注で変わるのは、主に発信の量と見せ方の質です。
Q. 内製と外注を途中で切り替えることはできますか?
A. できます。切り替えを見すえて、契約時に成果物の権利とアカウントの管理者を自社にしておくことが大切です。引き継ぎ資料を作ってもらう取り決めも有効です。
Q. 費用の見積もりを比べるとき、何に注意すればよいですか?
A. 投稿本数・修正回数・撮影の有無・効果測定の報告が料金に含まれるかを揃えて比べます。含まれる範囲が違うと、月額だけでは正しく比べられません。
採用広報の外注先は、依頼範囲や体制によって向き不向きが大きく分かれます。依頼前に確認したい項目は、資料請求(選び方ガイド・依頼前チェックリスト)にまとめています。なお、運営元の株式会社HolyTechも、動画1本7,500円(税込)・初期費用0円で制作を受ける選択肢の1つとして比較表に掲載しています。自社の工数と採用目標に合うかどうかは、他のタイプと並べて判断してください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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