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更新日:2026年10月29日

不動産・住宅 公開日 2026年10月29日

不動産会社のSNSは内製か外注か|営業兼任の限界と分担モデル

不動産会社のSNSを内製するか外注するかを、営業兼任の限界から整理します。結論は、営業担当の顔出し発信は内製、企画・編集は外注に分ける分担モデルが現実的です。内製で起きやすい表示規約のチェック漏れと防ぎ方も解説します。

結論から言います。不動産会社のSNSは「全部内製」でも「全部外注」でもなく、営業担当の顔出し発信は内製、企画・編集は外注に分けるのが現実的です。営業と兼任で投稿を続けると、繁忙期に更新が止まりやすくなります。一方で、営業担当の人柄や地域の知識は外注先には出せません。そのうえで内製部分は、不動産広告の表示ルールのチェック漏れが起きやすいため、確認の体制を必ず用意してください。

営業兼任の内製が続かない3つの理由

不動産会社のSNSは、営業担当が兼任で回しているケースが多くあります。最初は勢いで投稿できても、半年ほどで止まる例が少なくありません。理由は主に3つです。

1つ目は、繁忙期に更新が止まることです。賃貸は1〜3月、売買は決算期や案内が集中する週末に業務が増えます。SNSは後回しになり、反響(問い合わせ)が一番ほしい時期に発信が空きます。

2つ目は、企画と編集の負担が大きいことです。撮影自体は数分でも、構成・テロップ入れ・カット編集・キャプション作成には1本あたり1〜2時間かかることがあります。営業の空き時間だけでは、投稿の質が下がりがちです。

3つ目は、表示ルールの確認が属人的になることです。営業担当が自分で書いて自分で投稿すると、第三者のチェックが入りません。不動産広告には独自のルールがあり、うっかりの違反が起きやすい構造です(詳しくは後の章で解説します)。

内製・外注・分担モデルの比較表

選択肢を4タイプに分けて比べます。費用は業務範囲・投稿本数・地域で差があるため、目安の幅として見てください。

タイプ 費用レンジ 向いている会社 確認すべき点
完全内製(営業兼任) 外部費用はほぼ0円(人件費は発生) 店舗1〜2の小規模、発信が好きな営業担当がいる会社 繁忙期の更新体制、表示ルールの確認者がいるか
分担モデル(出演は内製・企画編集は外注) 月額数万〜十数万円が多い 営業担当の顔を出したいが、編集の時間がない会社 撮影の段取り、編集の納期、表示チェックの担当範囲
全面外注(不動産特化型・総合型) 月額十数万〜数十万円が多い 複数店舗、物件数が多く発信量を増やしたい会社 物件情報の確認フロー、アカウント権限の所有者
フリーランスへの部分外注 1本単位・月額数万円からが多い まず編集だけ試したい会社 担当者が1人の場合の代替体制、契約書の有無

不動産の場合、「誰が話しているか」が問い合わせの決め手になりやすい業種です。そのため、出演を外注先のモデルやナレーションで置き換えると、来店時の印象とずれることがあります。営業担当の出演は社内に残し、手間のかかる企画と編集を外に出すのが分担モデルの考え方です。

外注先のタイプ別の選び方は、不動産のSNS運用代行の選び方|売買・賃貸・注文住宅で違う基準で詳しく整理しています。

分担モデルの具体的な役割分け

分担モデルでは、作業を「社内でしかできないこと」と「外に出せること」に分けます。目安は次のとおりです。

社内(内製)で担うこと - 営業担当の出演(物件紹介・街の案内・よくある質問への回答) - 物件情報の正確性の確認(価格・面積・所在地・取引態様) - DM(ダイレクトメッセージ)やコメントへの返信、来店予約の対応

外注に出しやすいこと - 月間の企画(どの物件・どのテーマを、どの順番で出すか) - 台本の下書き、撮影の段取り表 - 動画の編集、テロップ、サムネイル、キャプション案 - 投稿後の数値の集計と改善案の提出

運用のコツは、撮影日をまとめて設定することです。たとえば月に1回、半日を撮影日にして、4〜8本分をまとめて撮ります。営業担当が毎回カメラの前に立つ負担が減り、繁忙期でも投稿の在庫を確保できます。

営業担当が顔を出すなら、出演の同意書を必ず取ってください。退職後に動画を残すか削除するかも、事前に決めておく必要があります。考え方は採用SNSの社員出演は同意書が前提|肖像権と退職後の動画の扱いが参考になります。

内製時に起きやすい表示規約のチェック漏れ

ここが、内製で最も注意すべき点です。SNSでの物件紹介も、宅地建物取引業法(宅建業法)や「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下、表示規約)の対象になる広告として扱われます。営業担当が1人で作って投稿すると、次のような漏れが起きやすくなります。

  • 取引態様の書き忘れ:売主・代理・媒介(仲介)のどれかを明示していない
  • 成約済み物件の掲載を続ける:すでに契約済みの物件を「募集中」のまま残す(おとり広告とみなされるおそれがあります)
  • 未完成物件の早すぎる告知:建築確認などが済む前に、販売の広告を出してしまう
  • 特定用語の安易な使用:「完全」「格安」「掘り出し物」などを、根拠なく使う
  • 徒歩分数や「新築」の表記ミス:表示規約で決められた計算方法や定義と合っていない
  • 会社情報の不足:商号や免許証番号など、必要な表示事項が抜けている

特にショート動画は、口頭で「駅近です」「この価格はここだけ」と話してしまいがちです。テロップやキャプションだけでなく、話した内容も広告表示として確認する意識が必要です。

対策は、投稿前の確認担当を営業担当とは別に決めることです。宅建士の資格者や管理職が、公開前にチェックリストで確認する流れを作ってください。外注する場合は、「表示規約のチェックを誰がどこまで行うか」を契約前に書面で決めておきます。外注先が確認してくれる範囲でも、最終的な責任は広告主である不動産会社が負う点に注意が必要です。

なお、紹介料を払ったインフルエンサーやお客様に投稿してもらう場合は、ステルスマーケティング規制(2023年10月施行)の対象になります。PR表記の扱いもあわせて確認してください。

規約の詳細は、不動産公正取引協議会連合会の公式サイトで公開されています。判断に迷う表現は、所属団体や協議会に確認するのが安全です。

向き不向きと費用の見方

分担モデルや外注を検討したほうがよい会社 - 営業担当が兼任しており、過去に投稿が止まった経験がある - 繁忙期にも発信を続けたい - 社内に表示ルールを確認できる人が少ない - 店舗が複数あり、投稿のトーンや品質をそろえたい

内製のままでよい会社 - 発信が好きで、編集までできる担当者がいる - 投稿数が月2〜4本程度で十分な商圏 - 宅建士などによる投稿前チェックが、すでに習慣になっている

費用は、月額のままではなく1本あたり・反響1件あたりに直して比べてください。たとえば仮に月額10万円で月8本なら、1本あたり1.25万円です。SNS経由の問い合わせが月5件なら、反響1件あたり2万円になります。

この数字を、ポータルサイトの反響単価や、内製した場合の人件費と比べます。内製の場合は「営業担当の時給×編集にかけた時間」が隠れたコストです。成果は商圏・物件種別・体制で差が出るため、3〜6か月の推移で判断するのが現実的です。内製と外注の長期の比較は、SNS運用の内製と外注を比較|3年の総コストとノウハウ蓄積で判断を参考にしてください。

外注先に聞くべき質問(選定基準) 1. 表示規約や宅建業法の確認は、どの工程で誰が行いますか? 2. 営業担当の撮影は、月何回・何時間で何本作れますか? 3. 成約済み物件の投稿を、取り下げるルールはありますか? 4. アカウントの所有権と、撮影した素材の権利は誰に残りますか? 5. 月次の報告では、どの指標(問い合わせ数・来店数など)を出してもらえますか?

まとめ

  • 営業兼任の内製は、繁忙期の停止・編集負担・確認漏れの3点で止まりやすい
  • 営業担当の顔出しは内製、企画・編集は外注に分けるのが現実的
  • 内製でも外注でも、表示規約の投稿前チェック担当を必ず決める
  • 費用は1本あたり・反響1件あたりに直して比べる

次の行動として、まずは自社の投稿を1か月分振り返り、「誰が作り、誰が確認したか」を書き出してみてください。

よくある質問

Q. 営業担当が個人アカウントで物件を紹介してもよいですか?

A. 可能ですが、会社の広告として表示規約の対象になります。取引態様や会社情報の表示、成約後の取り下げなどを会社のルールで管理してください。退職時のアカウントと投稿の扱いも、事前に決めておく必要があります。

Q. 編集だけを外注する場合、表示規約のチェックも任せられますか?

A. 任せられる外注先もありますが、範囲は会社によって違います。契約前に「どの項目を確認するか」を書面で確認してください。最終的な責任は広告主側にあるため、社内での最終確認は残すのが安全です。

Q. 分担モデルでは、営業担当の負担はどのくらいですか?

A. 撮影日をまとめれば、月に半日程度に収まるケースが多くあります。ただし、本数や撮影場所の数で変わります。最初の2〜3か月は段取りに慣れるまで時間がかかる前提で計画してください。

Q. 内製から分担モデルに切り替えるタイミングはいつですか?

A. 投稿が1か月以上止まったとき、または繁忙期の前が目安です。繁忙期に入ってからでは撮影の時間が取りにくいため、2〜3か月前には準備を始めると余裕があります。

株式会社HolyTechの「業種別SNS運用代行ナビ」では、外注先をタイプ別に比べるための選び方ガイドと、依頼前チェックリストを用意しています。表示規約の確認範囲や撮影の段取りを、外注先に聞く前の整理に使えます。資料請求ページからお気軽にお取り寄せください。なお、比較表には弊社も1社として掲載しています(1本7,500円税込・初期費用0円)。ほかのタイプとあわせて、条件に合うかどうかをご確認ください。

この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。

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