SNS運用代行にアカウントを任せるときは、パスワードを渡さずビジネス管理ツール等の権限付与で必要最小限のアクセスだけを与えるのが基本です。媒体別の付与方法、契約前の質問、契約終了時の解除手順まで解説します。
結論から言います。SNS運用代行には、パスワードを渡さず「権限付与」でアカウントを触ってもらうのが基本です。 InstagramやFacebookはMetaのビジネス管理ツール、LINE公式アカウントやYouTubeは各管理画面の招待機能を使います。権限は作業に必要な範囲だけに絞り、契約終了時にすぐ外せる状態にしておきます。この記事では、渡す前の準備から付与・見直し・解除までを手順でまとめます。
※各プラットフォームの仕様は2026年10月15日時点で確認した内容です。画面の名称や権限の区分は変更されることがあります。設定前に各公式ヘルプで最新情報を確認してください。
パスワード共有を避けるべき4つの理由
パスワードを渡すと、手軽な反面、後から取り返しにくいトラブルが起きます。主な理由は次の4つです。
- 誰が操作したか追えない:全員が同じIDでログインするため、誤投稿や設定変更の原因を特定できません。
- 知っている人が増え続ける:代行会社の担当交代や再委託(別の外注先への作業の振り分け)で、パスワードが社外に広がります。
- 二段階認証が代行側に移る:二段階認証とは、ログイン時にスマホへ届く確認コードも求める仕組みです。コードの受け取り先を代行側の端末にすると、自社が締め出されることがあります。
- 契約終了時の後片付けが重い:パスワード変更、連携アプリの確認、認証の付け直しが必要になります。
さらに注意したいのが「アカウントの紛失」です。代行会社のメールアドレスでアカウントを作ると、持ち主が代行会社になります。解約時に返してもらえず、フォロワーごと作り直しになる例もあります。アカウントの所有者は必ず自社にしておきましょう。
プラットフォーム別の権限の渡し方(2026年10月15日確認)
主要な媒体ごとに、権限を渡す場所と目安をまとめました。名称や区分は変わるため、最終的には公式ヘルプで確認してください。
| プラットフォーム | 権限を渡す場所 | 代行に渡す権限の目安 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| Instagram・Facebook | Meta Business Suiteのビジネス設定(ビジネスポートフォリオ。旧称ビジネスマネージャ) | 代行会社の管理画面へ「パートナー」としてページ・アカウントを共有し、部分的なアクセスに絞る | 全権限(フルコントロール)を渡さない。広告の支払い方法は自社名義にする |
| LINE公式アカウント | LINE Official Account Managerの権限管理 | 運用担当者の権限。配信や分析の閲覧可否を作業内容で選ぶ | 管理者は自社だけにする。トーク画面の閲覧範囲を決める |
| YouTube | YouTube Studioの権限設定 | 編集者、または収益情報を見せない限定的な編集者 | オーナーは自社のGoogleアカウントにする |
| TikTok | TikTok For Businessのビジネスセンター | メンバーまたはパートナーとして招待し、必要なアカウントだけ割り当てる | 個人向けアカウントのままだとパスワード共有になりやすい |
| X | アカウント種別や有料プランにより委任機能の有無が異なる | 委任機能が使えれば委任。使えない場合はパスワード管理ツールで共有 | 二段階認証は自社の端末で受け取る |
| Googleビジネスプロフィール | プロフィールのユーザー管理 | 管理者の権限 | オーナー権限は譲らない |
InstagramをMetaのビジネス管理ツールで扱うには、プロアカウント(ビジネス用の設定)への切り替えと連携が必要です。この連携を代行会社に任せる場合も、連携先は自社のビジネスポートフォリオにします。
権限を渡す前の準備(手順1〜3)
代行会社に連絡する前に、自社側で次の3つを整えます。
- 所有者のメールアドレスを会社管理にする:私用のメールや、特定のスタッフ個人のアドレスは避けます。会社ドメインのメールや、複数人で管理する共有アドレスが安全です。スタッフの退職で入れなくなる事態を防げます。
- 二段階認証を自社の端末で設定する:確認コードは自社のスマホや認証アプリで受け取ります。予備のログイン用コード(バックアップコード)は印刷して保管します。
- アカウント一覧表を作る:媒体ごとに「アカウント名・所有者メール・管理者・代行に渡した権限・付与日・最終確認日」を1枚にまとめます。表計算ソフトで十分です。
代行会社へ権限を付与する手順(手順4〜7)
準備ができたら、次の順で権限を渡します。
- 受け取り用のIDをもらう:代行会社のビジネスポートフォリオIDや、招待先のメールアドレスを聞きます。担当者の私用アカウントではなく、会社が管理するアカウントかを確認します。
- 作業内容から逆算して最小限の権限を渡す:投稿だけなのか、コメント返信やDMまで任せるのかで必要な権限は変わります。下の表を目安にしてください。
- 広告は分けて扱う:広告運用も頼む場合、支払い方法は自社名義のままにします。利用額の上限を設定しておくと、想定外の出費を防げます。
- 付与した内容を一覧表に記録する:誰に・いつ・どの権限を渡したかを残します。担当交代のたびに更新します。
| 依頼する範囲 | 必要な権限の目安 | 渡さなくてよい権限 |
|---|---|---|
| 投稿の作成・予約だけ | コンテンツ作成・公開 | 管理者、支払い、メンバー追加 |
| 投稿+コメント・DM対応 | 上記+メッセージ対応 | 管理者、支払い |
| 投稿+分析レポート | 上記+インサイト(閲覧数などの分析データ)閲覧 | 管理者、支払い |
| 広告運用まで | 広告アカウントの運用権限 | 支払い方法の変更、ビジネス全体の管理者 |
DMには顧客の個人情報が含まれます。クリニックや美容サロンでは、来院・来店に関わる相談が届くこともあります。DMを見られる人を絞り、対応ルールを事前に決めておきましょう。
契約前に代行会社へ聞く5つの質問
権限の扱いは、代行会社の管理体制がそのまま表れる部分です。契約前に次の5つを聞くと見極めやすくなります。
- パスワードを共有せず、権限付与で運用できますか?
- 権限を持つのは誰ですか? 人数と、再委託先が触るかどうかも確認します。
- 担当者が替わったとき、権限の付け替えはどうしますか?
- 契約終了時、権限の削除と作成物の引き渡しはいつ・どう行いますか?
- 乗っ取りや誤投稿が起きたら、誰が何時間以内に連絡しますか?
パスワードの共有を前提にしている、または所有者を代行会社側にする提案があれば、慎重に判断してください。答えは口頭で終わらせず、契約書や覚書に残すと安心です。契約書で見るべき条項はSNS運用代行の契約書チェックポイントで整理しています。
運用中の見直しと契約終了時の解除手順
権限は渡して終わりではありません。3か月に1回を目安に、一覧表と実際の管理画面を見比べます。退職した担当者や、使っていない外部ツールが残っていれば外します。見慣れない場所からのログイン通知が届いたら、すぐにパスワード変更と代行会社への確認を行います。
契約を終えるときは、次の順で解除します。
- 代行会社のパートナー・メンバー権限を削除する
- 投稿予約ツールなど、代行会社が連携した外部アプリを確認して外す
- パスワードを共有していた媒体は、パスワード変更と二段階認証の再設定を行う
- 投稿素材や分析データなど、契約で決めた作成物を受け取る
乗り換え先が決まっている場合は、新旧の会社が同時に権限を持つ期間を短くします。移行の進め方はSNS運用代行の乗り換え手順も参考にしてください。
まとめ
- SNS運用代行には、パスワードではなく権限付与でアクセスしてもらいます。
- アカウントの所有者と二段階認証は、必ず自社側に置きます。
- 権限は作業内容から逆算して最小限にし、一覧表で管理します。
- 契約前に権限の扱いを質問し、終了時の解除手順まで決めておきます。
まずは自社のアカウント一覧表を作り、所有者が誰になっているかを確認するところから始めましょう。
よくある質問
Q. 小さな店でも、パスワードを渡さずに運用を頼めますか?
A. 頼めます。InstagramやLINE公式アカウントなど主要な媒体は、規模に関係なく権限付与の機能を使えます。最初の設定に不安があれば、代行会社と画面共有しながら進めると設定ミスを防ぎやすくなります。
Q. 代行会社が「アカウントをこちらで作ります」と言っています。問題はありますか?
A. 作成作業を任せること自体は問題ありません。ただし、登録するメールアドレスと電話番号は自社のものにしてもらいます。所有者が代行会社になると、解約時に返却されない原因になります。
Q. 代行会社の権限を外すと、過去の投稿は消えますか?
A. 一般的には、権限を外しても公開済みの投稿はアカウントに残ります。ただし、代行会社側のツールに保存された素材や分析データは別扱いです。引き渡しの範囲を契約で決めておきましょう。
Q. 乗っ取りが疑われるときは、まず何をすればよいですか?
A. 各プラットフォームの公式ヘルプにある復旧手続きを進め、パスワード変更と不明な権限の削除を行います。同時に代行会社へ連絡し、操作履歴を確認してもらいます。なりすまし投稿があれば、フォロワーへの告知も検討します。
SNS運用代行は、権限の扱いや担当体制が会社のタイプによって異なります。業種別の各社比較表で依頼範囲や体制を見比べ、依頼前のチェックリストが必要な方は資料請求をご利用ください。当サイトを運営する株式会社HolyTechも、1本7,500円(税込)・初期費用0円のプランで比較表の1社として掲載しています。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
業種共通の関連記事
- 業種共通2026.10.15SNS運用代行は業種特化型と総合型どちらを選ぶ?違いと判断基準
- 業種共通2026.10.15SNS運用代行の著作権トラブル|BGM・画像・成果物の権利を確認
- 業種共通2026.10.14SNS運用代行の契約書チェックポイント|発注前に見るべき12条項
- 業種共通2026.10.14YouTube運用代行の費用相場|ロング・ショート別の料金と依頼範囲
- 業種共通2026.10.14SNS運用代行の担当者体制を確認する方法|専任・兼任・外注の違い
次に読む
比較表つきの選び方ガイドを無料でお送りします!
各業種の選定基準・依頼先タイプ別の費用レンジ・契約前に聞く質問をまとめた資料です。メールで即時にお送りします(株式会社HolyTech制作)。