飲食店のSNS効果測定は、フォロワー数より来店につながったかを見ることが大切です。合言葉・SNS限定メニュー・予約経路の3つで来店貢献を計測する方法と、数字を過大評価しないための限界、代行会社に求める報告の見方を解説します。
結論から言います。飲食店のSNS効果測定は「いいね」や「フォロワー数」ではなく、来店につながったかで見るのが基本です。そのための手段が、合言葉・SNS限定メニュー・予約経路の記録の3つです。ただし、どの手法もSNS経由の来店をすべて拾えるわけではありません。数字は「目安」として扱い、複数の手法を組み合わせて判断することが大切です。
なぜ「来店」で測る必要があるのか
SNSの管理画面では、表示回数や保存数などが見られます。表示回数(インプレッション)とは、投稿が画面に表示された回数のことです。こうした数字は投稿の反応を知るには役立ちます。
一方で、飲食店の経営に直結するのは来店と売上です。表示回数が多くても、商圏外の人ばかりに見られていれば来店は増えません。反対に、フォロワーが少なくても近隣の常連に届いていれば成果は出ます。
運用代行に依頼している場合は、費用に見合うかを判断する材料も必要です。そこで「SNSを見て来た人がどれくらいいるか」を店側で記録する仕組みを作ります。
来店貢献を測る3つの手法と限界の比較
まずは代表的な3手法を比べます。どれか1つに絞るより、店の業態に合うものを2つ組み合わせるのがおすすめです。
| 計測手法 | 手間・費用 | 向いている店 | 限界・確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 合言葉(「インスタ見た」で特典) | 低い。特典の原価のみ | カフェ・ラーメン店など予約が少ない店 | 言わない客は数えられない。特典目当ての客が混ざる |
| SNS限定メニュー | 中程度。メニュー開発と仕込みが必要 | 居酒屋・ベーカリーなど話題性で来る店 | SNSを見ていない客も注文する。売れ行きは季節に左右される |
| 予約経路の記録 | 低〜中程度。予約システムの設定が必要 | 予約中心のレストラン・宴会需要のある店 | 予約なしの来店は拾えない。複数経路を見た客は判別しにくい |
どの手法も、SNSの影響を「多めにも少なめにも」見積もる可能性があります。表の「限界」の欄を、代行会社とも共有しておきましょう。
手法ごとの具体的なやり方
1. 合言葉で計測する
投稿やプロフィールに「会計時に『インスタ見た』でドリンク1杯サービス」などと書きます。レジ横に正の字のメモを置くか、POSレジに「SNS特典」ボタンを作ると集計が楽になります。
注意点は、合言葉を言わずに来る人がいることです。そのため実際のSNS経由来店より少なく出やすくなります。また、特典の内容によっては景品表示法の確認が必要になる場合があります。高額な特典を付ける前に、条件や表示方法を確認してください。
2. SNS限定メニューで計測する
SNSでだけ告知するメニューを作り、注文数を数えます。「裏メニュー」のように、店内の表示には出さないのがポイントです。
ただし、隣の席の客が見て注文することもあります。常連が口頭で知る場合もあるため、注文数=SNS経由来店とは言い切れません。「SNSで話題になったか」を見る参考値と考えるのが適切です。
3. 予約経路で計測する
予約の入口ごとに経路を分けて記録します。代表的な方法は次の通りです。
- Instagramのプロフィールに置く予約リンクを、SNS専用のURLにする
- 予約システムやGoogleビジネスプロフィールなど、経路ごとに予約数を月単位で集計する
- 電話予約では「何を見てご予約いただきましたか」と一言聞いて記録する
- 月末に経路別の予約数と来店数をまとめる
SNS専用URLを作るには、URLの末尾に経路を示す文字(UTMパラメータ)を付ける方法があります。予約システムによって対応状況は異なるため、設定は代行会社か予約システムの提供元に確認してください。導線の作り方は「飲食店のSNSから予約につなげる導線設計」で詳しく解説しています。
数字を過大評価しないための注意点
計測した数字は、条件をそろえて比べないと誤解のもとになります。特に次の3点に注意してください。
季節や曜日の影響を分けて考える。12月の宴会シーズンや大型連休は、SNSに関係なく来店が増えます。前月比だけでなく、前年同月と比べる視点も持ちましょう。
「最後に見たもの」だけで判断しない。グルメサイトで店を知り、SNSで雰囲気を確かめてから予約する人もいます。予約経路は最後の入口しか記録しないため、SNSの貢献を過小にも過大にも見せます。
店側の変化と切り分ける。同じ時期に新メニューの投入や看板の変更をしていれば、来店増の理由はSNSだけではありません。施策の実施日を記録しておくと、後から振り返りやすくなります。
成果の出方は、業態・商圏・客単価・運用体制で差があります。代行会社の報告で「SNS経由来店◯件」とあっても、それは計測できた範囲の数字です。断定的な成果として扱わないようにしましょう。
費用の見方:来店1件あたりに直す
運用代行の費用は、月額のまま見ても高いか安いか判断できません。計測した来店数で割り、「来店1件あたりの費用」に直すと比べやすくなります。
たとえば、仮に月額10万円の代行費で、合言葉と予約経路で確認できたSNS経由来店が月50件だったとします。この場合、来店1件あたり2,000円です。客単価やリピート率と照らし、許容できる金額かを判断します。
ただし、前の章の通り計測できない来店もあります。この数字は「最低限これだけは確認できた」という下限の目安です。LINE公式アカウントのクーポン利用数など、他の経路も合わせて見ると判断材料が増えます。再来店を促す配信は「飲食店のLINE公式クーポン運用を代行に頼む」も参考にしてください。
代行会社に確認したい質問
効果測定を代行会社と進めるなら、契約前に次の点を聞いておくと安心です。
- 月次報告に、来店や予約に関する指標を入れてもらえますか
- 合言葉や限定メニューの企画・集計方法を提案してもらえますか
- 予約リンクの経路分けなど、計測の初期設定は依頼範囲に入りますか
- 数字の限界や、季節要因を踏まえた解説をしてもらえますか
報告書のどこを見ればよいかは「SNS運用代行の月次レポートで確認すべき項目」にまとめています。
まとめ
- 飲食店のSNS効果測定は、表示回数より「来店」で見るのが基本です
- 合言葉・SNS限定メニュー・予約経路の3手法を、業態に合わせて2つ組み合わせます
- どの手法にも限界があり、数字は「確認できた範囲の目安」として扱います
- 費用は来店1件あたりに直し、季節要因と合わせて判断します
まずは、自店で今日から始められる手法を1つ選び、1か月記録してみてください。
よくある質問
Q. フォロワー数は見なくてもよいのですか?
A. 見なくてよいわけではありません。フォロワー数は、来店につながる見込み客の母数を知る目安になります。ただし、フォロワー数が増えても来店が増えないことはあります。来店指標と並べて見るのが適切です。
Q. 合言葉の特典はどれくらいにすればよいですか?
A. ドリンク1杯やトッピング無料など、原価が小さく利益を圧迫しない範囲が一般的です。特典が大きすぎると、特典目当ての一度きりの客が増える場合があります。内容によっては景品表示法の確認も必要です。
Q. 効果測定はどのくらいの期間で判断すればよいですか?
A. 1か月だけでは季節や天候の影響を受けやすいです。少なくとも3か月程度は記録を続け、傾向で判断することをおすすめします。業態や商圏によって適切な期間は異なります。
Q. 計測の仕組みづくりも代行会社に頼めますか?
A. 対応範囲は会社によって異なります。予約リンクの設定や集計表の作成まで含むか、契約前に確認しましょう。店側でしかできない作業(レジでの記録など)は、スタッフに共有しておく必要があります。
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この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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