飲食店がLINE公式でクーポンを配りすぎると、利益が削られます。配信は月2〜4回程度から始め、特典は来店回数に応じて段階的に設計するのが基本です。代行会社の選び方、費用の見方、景品表示法の注意点まで解説します。
結論から言います。飲食店のLINE公式クーポンは「数を配る」より「誰に・何回目に・いくら分を渡すか」を先に決めることが大切です。割引を毎週配ると、お客様はクーポンがある日だけ来店するようになり、粗利(売上から原価を引いた利益)が減っていきます。代行会社に頼むなら、配信本数よりも特典の設計と効果の測り方を提案できるかで選びます。抽選で当たる特典や来店者へのプレゼントは景品表示法の規制対象になり得るため、表示を確認する体制があるかも見ておきます。
クーポンを乱発すると利益が削れる理由
割引クーポンは、売上ではなく粗利から差し引かれます。たとえば客単価3,000円、粗利率65%のお店で考えます。1回の来店で残る粗利は1,950円です。
ここで500円引きクーポンを使われると、粗利は1,450円になります。粗利は約26%減ります。売上の減少は1割強でも、手元に残る利益は4分の1以上減るわけです。
もう1つの問題は「クーポン待ち」です。毎週配信すると、もともと定価で来ていた常連客まで割引を使います。新しい来店が増えないまま、値引きの分だけ利益が減っていきます。
クーポン運用で見るべき数字は、配った枚数や使われた枚数ではありません。次の3つです。
- クーポン経由の新規・休眠客の来店数(しばらく来ていなかったお客様が戻った数)
- 2回目・3回目の再来率(もう一度来てくれたお客様の割合)
- 割引額を差し引いた後の1来店あたりの粗利
配信頻度と特典設計の基本
配信頻度は月2〜4回程度から始め、反応を見ながら調整するのが基本です。ただし、毎回クーポンを付ける必要はありません。新メニューや季節の仕込み、空席が出やすい日の案内など、割引を伴わない配信も混ぜます。こうすると、クーポンの価値が下がりにくくなります。
特典は、来店の段階ごとに変えます。全員に同じ割引を配らないことが、利益を守るうえでいちばん効きます。
| 段階 | 特典の例 | ねらい | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 友だち追加時 | 初回のドリンク1杯サービス | 初来店の後押し | 割引額は小さくてよい |
| 初来店の後 | 2回目に使える期限付き特典 | 再来の習慣化 | 期限は2〜4週間程度で区切る |
| 3回目以降 | 限定メニューの先行案内 | 値引きに頼らない常連化 | 割引ではなく「特別感」で返す |
| 休眠客(60〜90日来店なし) | 戻り来店向けの特典 | 離れたお客様の呼び戻し | 対象を絞って配信する |
| 平日・閑散時間帯 | 曜日・時間限定の特典 | 空席を埋める | 混む時間には使えない設定にする |
LINE公式アカウントでは、友だちに属性やタグで絞って配信できます。ショップカード機能で来店回数を記録することもできます。ただし、無料で送れるメッセージ数はプランごとに上限があり、超えると追加料金がかかります。最新の料金は公式サイトで確認してください。友だち全員に毎回送るより、絞り込んで送るほうが費用も抑えられます。
代行の選択肢と比較表
LINE公式のクーポン運用は、頼む先のタイプで得意分野が違います。費用は依頼範囲によって大きく変わるため、以下は目安の幅です。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている店 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| LINE特化型 | 月額3万〜10万円台が多い(構築費は別のことが多い) | 友だちが数百人以上いて、段階配信を作りたい店 | タグ設計・自動配信の構築まで含まれるか |
| 飲食特化型SNS代行 | 月額数万〜十数万円が多い | Instagramとセットで集客したい店 | クーポンの粗利計算まで提案できるか |
| 総合型 | 月額10万円以上が多い | 多店舗展開・本部で管理したい店 | 店舗ごとの配信を出し分けられるか |
| フリーランス | 月額数万円からが多い | 個店で、配信の文面作成だけ頼みたい店 | 担当者が不在のときの代わりがいるか |
| 内製 | ツール代+スタッフの人件費 | 店長が配信に時間を割ける店 | 効果の振り返りを続けられるか |
構築費・月額の目安は、LINE公式アカウント運用代行の費用で詳しく整理しています。
代行会社を見極める5つの質問と向き不向き
契約前に、次の5つを聞いてみてください。答え方で、利益まで考えてくれる会社かどうかが分かります。
- 「クーポンの割引額は、粗利から逆算して決めますか?」 客単価と原価率を聞かずに割引額を出す会社は要注意です。
- 「クーポンを付けない配信は、月に何本程度入れますか?」 毎回クーポンを付ける前提の会社は、乱発になりやすいです。
- 「新規客と再来客の効果を分けて報告できますか?」 使われた枚数だけを報告する会社では、本当の効果が見えません。
- 「景品表示法の表示は、誰がどの段階で確認しますか?」 配信前のチェックの流れを具体的に説明できるかを見ます。
- 「予約や来店の記録と、どうつなげて計測しますか?」 予約システムやPOSレジ(売上を記録するレジ)との突き合わせ方法を確認します。
SNSから予約までの流れ全体は、飲食店のSNSから予約につなげる導線設計も参考にしてください。
代行に頼むべき店は次のとおりです。
- 友だちが数百人以上いるのに、配信が止まっている
- 再来率を上げたいが、段階配信を作る時間がない
- 複数店舗で配信内容をそろえたい
頼まなくてよい店は次のとおりです。
- 友だちがまだ少なく、まずは店頭で友だち追加を増やす段階
- 月1〜2回のお知らせ配信で十分な、常連中心の小さな店
- 店長自身が文面を書くのが苦にならず、振り返りも続けられる
費用の見方と景品表示法の注意点
月額費用は、来店1件あたりの金額に直して比べます。たとえば月額5万円で、クーポン経由の新規・休眠客の来店が月50件なら、1件あたり1,000円です。これに割引額を足した金額が、1来店を得るためのコストになります。
この金額が、そのお客様が再来して生む粗利より小さいかを確認します。成果は業種・商圏・お店の体制で大きく差があります。最初の3か月は効果の測り方をそろえる期間と考えてください。
景品表示法では、値引きそのものは原則として景品類に当たらない扱いです。ただし、次の場合は注意が必要です。
- 抽選で当たる特典:懸賞として、景品の上限額や総額の規制を受けます。LINE公式のクーポン機能には抽選の設定があるため、使う前に確認します。
- 来店者全員へのプレゼント:総付景品(もれなくもらえる景品)として、取引価額に応じた上限があります。
- 「通常価格」との比較表示:実際に売っていない価格を「通常価格」と書くと、有利誤認表示(実際より得だと誤解させる表示)になるおそれがあります。
具体的な上限額は、消費者庁の景品規制の資料で確認してください。判断に迷う企画は、配信前に代行会社と店舗の両方で表示をチェックする流れを契約で決めておくと安心です。
まとめ
- クーポンは割引額を粗利から逆算し、来店の段階ごとに特典を変えます。
- 配信は月2〜4回程度から始め、クーポンを付けない配信も混ぜます。
- 代行会社は、配信本数より「利益の計算」と「効果の分け方」を提案できるかで選びます。
- 抽選や全員プレゼントは景品表示法の規制対象になり得るため、確認の流れを決めておきます。
まずは依頼前チェックリストで、自店の客単価・原価率・友だち数を整理するところから始めてください。
よくある質問
Q. クーポンは毎週配信したほうが来店は増えますか?
A. 短期的に来店が増える場合はありますが、定価で来ていたお客様まで割引を使うようになり、利益が減りやすくなります。月2〜4回程度を目安にして、割引のない配信も混ぜることをおすすめします。
Q. 「ドリンク1杯無料」は景品表示法の景品に当たりますか?
A. 自店で提供する飲食物を付けることは、値引きと同じ扱いになる場合があります。ただし、条件や見せ方によって判断が変わります。抽選にする場合や、別の物品を配る場合は景品規制の対象になり得るため、消費者庁の資料で確認してください。
Q. 友だちが少なくても代行に頼む意味はありますか?
A. 友だちが少ない段階では、配信よりも店頭やSNSで友だちを増やす施策が先です。まずは構築だけをスポットで頼み、配信は自店で回す方法もあります。
Q. 代行会社にはどんな数字を報告してもらえばよいですか?
A. クーポンの利用枚数だけでなく、新規・休眠客の来店数、2回目以降の再来率、割引後の1来店あたり粗利を報告してもらいます。報告の項目は契約前に決めておきます。費用や契約の疑問はよくある質問にもまとめています。
各社のプランや対応範囲は、サイトの比較表で公式の公開情報をもとに確認できます。依頼前に整理しておきたい項目は、資料請求(選び方ガイド・依頼前チェックリスト)からまとめて受け取れます。比較表には運営会社の株式会社HolyTechも1社として掲載しています(1本7,500円税込・初期費用0円)。自店の条件に合うかどうか、ほかの選択肢と並べて検討してください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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