不動産のSNS運用で反響を正しく評価するには、問い合わせ・来店・成約の各段階でSNS経由を数えるKPIを、代行会社と契約前に合意することが大切です。指標の決め方と計測方法、費用の見方を解説します。
結論から言います。不動産のSNS反響は「問い合わせ・来店・成約」の3段階に分けて、それぞれSNS経由を数える仕組みを契約前に代行会社と決めておくことが大切です。 フォロワー数や再生数だけを報告されても、店舗の売上につながっているかは判断できません。 一方で、成約まで代行会社の責任にすると、営業や物件の条件まで含まれてしまい、公平な評価ができません。 この記事では、段階ごとの指標(KPI=目標を測るための数字)の決め方と計測方法、費用の見方を順に説明します。
不動産のSNS反響は3段階で分けて考える
不動産は、SNSを見てすぐ契約する商材ではありません。 投稿を見る→問い合わせる→内見・来店する→成約する、という段階を踏みます。 この流れを「ファネル(段階ごとに人数が絞られていく流れ)」と呼びます。
段階ごとに、代行会社が影響できる範囲は変わります。
| 段階 | 主な指標 | 代行会社の影響度 | 契約での扱い方 |
|---|---|---|---|
| 認知・興味 | 表示回数、プロフィール閲覧、保存数 | 大きい | 毎月の報告対象にする |
| 問い合わせ | DM・LINE・フォーム・電話の件数 | 中〜大 | 主な目標(KPI)にする |
| 来店・内見 | 内見予約数、来店数 | 中 | 目標または参考指標にする |
| 成約 | 成約件数、成約までの日数 | 小〜中 | 参考指標として共有する |
おすすめの考え方は、「問い合わせ」を代行会社と合意する主な目標にすることです。 来店と成約は、物件の在庫や営業の対応で大きく変わります。 そのため、目標にするかどうかは自社の体制と合わせて決めます。
なお、反響数は物件種別(賃貸・売買・注文住宅など)、商圏、投稿体制で大きく差があります。 他社の事例で「月◯件」と聞いても、そのまま自社の目標にしないことが大切です。 まずは3か月ほど計測し、自社の基準値を作ってから目標を決める流れが現実的です。
段階別にSNS経由を計測する方法
数え方を決めずに運用を始めると、「SNS経由かどうか分からない反響」が増えます。 段階ごとに、次の方法を組み合わせます。
1. 問い合わせ段階:入口を分けて数える - SNSのプロフィールに置くリンクに、UTMパラメータ(どこから来たかを示す目印)を付けます。Googleアナリティクス4などで流入元を確認できます。 - LINE公式アカウントは、SNS専用の友だち追加用URLやQRコードを用意し、追加経路を分けます。 - 電話はSNS専用の番号(コールトラッキング)を使う方法があります。費用がかかるため、件数が多い店舗向けです。 - InstagramなどのDMは、代行会社か店舗のどちらが件数を記録するかを決めます。
2. 来店・内見段階:顧客台帳に「きっかけ」欄を作る - 予約時と来店時に「何を見て知りましたか」を聞き、顧客台帳に記録します。 - 選択肢は「Instagram」「TikTok」「YouTube」「ポータルサイト」「看板・チラシ」「紹介」などに固定します。自由記述にすると集計できません。 - ポータルサイトとSNSの両方を見た人も多いため、「最初に知ったきっかけ」と「問い合わせの直前に見たもの」を分けて聞くと精度が上がります。
3. 成約段階:台帳の流入元を引き継ぐ - 成約時に新しく聞くのではなく、問い合わせ時の流入元をそのまま引き継ぎます。 - 成約までに数か月かかる売買や注文住宅では、月ごとではなく四半期ごとに集計します。 - 成約データは個人情報を含むため、代行会社には件数だけを共有する、などの範囲を決めます。
ポイントは、数える人と数える場所を1つに決めることです。 店舗側の記録が抜けると、代行会社の成果が過小評価されます。 逆に、代行会社だけが数えると、店舗側で確認できません。
代行会社と合意すべきKPIの選定基準
依頼先を決める前に、次の5つを質問してみてください。 答え方で、計測まで考えている会社かどうかを見極められます。
- 「反響の目標は、どの段階の何件で置きますか」 フォロワー数だけを挙げる会社より、問い合わせ件数まで話せる会社が安心です。
- 「SNS経由の問い合わせを、どの方法で数えますか」 UTM、LINEの経路分け、来店アンケートなど、具体的な手段が出るかを確認します。
- 「店舗側に、どんな記録をお願いすることになりますか」 店舗の作業が明確な会社ほど、数字のずれが少なくなります。
- 「月次報告では、反響と投稿内容をどう結び付けて説明しますか」 どの投稿から問い合わせが来たかを振り返れると、次の企画に生かせます。
- 「広告表現のチェックは誰が、どの基準で行いますか」 不動産の広告には、宅地建物取引業法の誇大広告の禁止や、不動産の表示に関する公正競争規約があります。 「格安」「抜群」「厳選」などの特定用語や、取引できない物件の掲載(おとり広告)は問題になります。 SNS投稿も広告として扱われるため、確認の体制と責任の分担を聞いておきます。
選定基準の考え方は業種をまたいで共通です。 ほかの業種の基準は美容サロンの選定基準5つも参考になります。
依頼先タイプ別の比較・向き不向き・費用の見方
依頼先は大きく5つのタイプに分かれます。 費用は目安で、依頼する本数や範囲、地域によって差があります。
| タイプ | 費用レンジ(目安) | 向いている店舗・会社 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 不動産特化型 | 月額10〜30万円程度が多い | 賃貸・売買の仲介店舗、物件数が多い会社 | 表示規約のチェック体制、反響の数え方 |
| 動画特化型 | 1本数万円〜が多い | ルームツアー動画を増やしたい会社 | 企画と計測まで含むか、撮影の範囲 |
| 総合型 | 月額20〜50万円以上が多い | 複数店舗、広告やWebサイトも任せたい会社 | 担当者の不動産理解、報告の粒度 |
| フリーランス | 月額5〜15万円程度が多い | 1店舗で小さく始めたい会社 | 稼働が止まったときの代わり、計測の知識 |
| 内製 | 人件費+ツール代 | 撮影・投稿の担当者を置ける会社 | 担当者の工数、異動時の引き継ぎ |
代行会社に頼むべき会社 - 問い合わせの入口を分ける仕組みづくりから相談したい - 物件の撮影や投稿を続ける人手が社内にない - 表示規約を踏まえた表現チェックを外部にも見てほしい
頼まなくてよい会社 - 社内に撮影・投稿の担当者がいて、計測の仕組みも作れる - 物件数が少なく、ポータルサイトと紹介で反響が足りている - 来店時の「きっかけ」記録をまだ店舗で回せない(先に台帳を整えるのが先です)
費用は「反響1件あたり」に直して見る
月額の安さだけで比べると、判断を誤りやすくなります。 月額費用を、問い合わせ1件・来店1件あたりに直して比べます。
計算例(仮の数字です)を示します。 - 月額20万円で、SNS経由の問い合わせが月10件 → 問い合わせ1件あたり2万円 - そのうち来店が4件 → 来店1件あたり5万円
この数字を、ポータルサイトの掲載費やチラシの費用と、同じ物差しで比べます。 ただし、SNSは開始から反響が出るまでに時間がかかる傾向があります。 最初の数か月は1件あたりの費用が高く出やすいため、半年程度の推移で判断するのが現実的です。
また、1本あたりの単価にも直しておくと、追加投稿の判断がしやすくなります。 月額を月の投稿本数で割り、動画と静止画で分けて比べます。 契約期間や解約の条件は、よくある質問(費用・契約・解約)で整理しています。
まとめ
- 不動産のSNS反響は、問い合わせ・来店・成約の3段階に分けて数えます。
- 代行会社と合意する主な目標は、影響を測りやすい「問い合わせ件数」が基本です。
- UTM、LINEの経路分け、来店時の「きっかけ」記録で、SNS経由を見える化します。
- 費用は月額ではなく、反響1件あたりに直して比べます。
次の行動として、まず資料請求で「依頼前チェックリスト」を取り寄せ、質問事項を整理してみてください。
よくある質問
Q. フォロワー数はKPIにしなくてよいですか? A. 参考として追う価値はありますが、主な目標にはおすすめしません。フォロワーが増えても地域外の人が多いと、問い合わせにつながらないためです。報告項目には残し、目標は問い合わせ件数に置きます。
Q. 成約件数を代行会社の目標にしてもよいですか? A. 契約で縛るのは慎重に考えるのが無難です。成約は物件の条件や営業の対応で大きく変わるためです。共有する参考指標にして、振り返りの材料にする使い方が向いています。
Q. 反響が出るまで、どのくらいかかりますか? A. 物件種別、商圏、投稿の本数や体制で差があり、一律には言えません。開始から数か月は計測の土台づくりと位置づけ、半年程度の推移で判断する会社が多いです。
Q. SNS投稿にも不動産の広告ルールは適用されますか? A. SNS投稿も物件を紹介すれば広告として扱われます。宅地建物取引業法や不動産の表示に関する公正競争規約に沿った表現か、投稿前に確認する体制を代行会社と決めておきます。
計測の考え方が固まったら、依頼先を同じ条件で比べる段階です。業種別の各社比較表は、公式に公開された情報だけで整理しています。株式会社HolyTechも比較表の1社として掲載しており、1本7,500円(税込)・初期費用0円で依頼できます。依頼前に確認したい項目は、資料請求(選び方ガイド・依頼前チェックリスト)からまとめて受け取れます。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
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