クリニックが患者にGoogle口コミの投稿を依頼すること自体は可能です。ただし謝礼付きや高評価だけの依頼は不可で、患者の体験談を自院の広告やSNSに使うことは医療広告ガイドラインで禁止です。両者を分けて整理します。
結論から言います。クリニックが患者に口コミ投稿を依頼すること自体は可能ですが、集まった体験談を自院の広告やSNSに使うことはできません。この2つは別のルールで動いています。前者はGoogleなどのプラットフォーム規約と景品表示法、後者は医療法にもとづく医療広告ガイドラインの問題です。混同すると、善意の投稿が違反につながります。この記事では「依頼してよいこと」と「使ってはいけないこと」を分けて整理します。
まず整理:「口コミ依頼」と「体験談の広告利用」は別の話
院長先生からよく聞く疑問は、次の2つが混ざっています。
- 患者さんに「Googleに口コミを書いてください」とお願いしてよいか
- 届いた良い口コミや患者さんの声を、ホームページやInstagramで紹介してよいか
前者は「依頼の方法」の問題です。後者は「医院の広告に何を載せるか」の問題です。
医療広告ガイドラインでは、患者の主観にもとづく治療内容や効果の体験談を広告に使うことが禁止されています。そして医院のホームページや公式SNSも、広告規制の対象になります。つまり口コミそのものは書いてもらえても、それを医院側が発信に使うことはできません。
| 行為 | 可否の目安 | 主に関係するルール |
|---|---|---|
| 来院患者に口コミ投稿をお願いする | 方法次第で可能 | Googleのポリシー・景品表示法 |
| 割引や特典と引き換えに投稿を頼む | 不可 | Googleのポリシー・景品表示法(ステマ規制) |
| 高評価の患者にだけ投稿を頼む | 不可 | Googleのポリシー |
| 口コミや患者の声を自院サイト・SNSに転載する | 治療内容・効果の体験談は不可 | 医療広告ガイドライン |
| 患者の投稿を公式アカウントでリポストする | 治療内容・効果の体験談は不可 | 医療広告ガイドライン |
医療広告ガイドラインで禁止される体験談の使い方
SNS運用で特に起きやすいのは、次のようなケースです。
- 「痛くなかった」「歯並びがきれいになった」という患者の声を投稿に載せる
- 患者さんがタグ付けした投稿を、公式アカウントのストーリーズで再共有する
- Google口コミの画面をスクリーンショットして「嬉しいお声をいただきました」と紹介する
- 「患者さんインタビュー」動画で、治療の感想や効果を語ってもらう
いずれも、治療の内容や効果に関する体験談を医院が発信する形になります。悪意がなくても、規制の対象になる点に注意が必要です。
あわせて、治療前後の写真(ビフォーアフター)は、治療内容・費用・リスクや副作用などの詳しい説明がない限り掲載できません。「地域で一番」のような他院との比較優良表現も禁止されています。患者の声とセットで使われやすいので、まとめて確認しておくと安全です。
一方で、待合室の雰囲気、スタッフ紹介、診療時間や駐車場の案内、予防の一般的な知識などは、体験談に頼らなくても発信できます。SNSの中身はこちらを軸に組み立てるのが現実的です。
公式の内容は、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」と関連のQ&Aで確認できます。判断に迷う表現は、管轄の保健所や専門家に確認してください。
Google口コミを依頼するときのルール
Googleのポリシーでは、事業者がお客様に口コミを依頼すること自体は認められています。ただし、次のやり方は禁止です。
- 謝礼と引き換えにする:割引、粗品、ポイントなどを条件に投稿を頼む
- 選んで頼む:満足していそうな患者にだけ声をかけ、不満のありそうな人を避ける
- 内容を指定する:「星5でお願いします」「〇〇治療が良かったと書いてください」と頼む
- 自作自演する:スタッフや家族、業者に投稿させる
謝礼付きの依頼は、2023年10月に始まったステルスマーケティング規制(景品表示法)の観点でも問題になります。医院が関与した投稿なのに、一般の口コミに見える状態になるためです。
安全な依頼の手順は、次のとおりです。
- 会計時など、全員に同じタイミングで案内する(受付の掲示やQRコードなど)
- 「よろしければご意見をお聞かせください」と、評価の良し悪しを問わない文言にする
- 謝礼や特典は一切付けない
- 届いた口コミには、個人情報や診療内容に触れずに返信する
返信にも注意が必要です。「〇〇様の抜歯は〜」のように、受診の事実や治療内容に触れると、守秘義務の観点で問題になります。否定的な口コミにも、感情的にならず一般的な表現で返すのが基本です。
SNS運用を任せるなら:比較表と選定基準
口コミやSNSの扱いは、表現ルールを理解した体制で運用することが前提です。外部に任せる場合のタイプを比べると、次のようになります。費用は目安で、投稿本数・撮影の有無・地域で差があります。
| タイプ | 費用レンジ | 向いている店/院 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 医療特化型の運用代行 | 月額10〜30万円程度が多い | 自由診療の比率が高い医院 | 医療広告ガイドラインのチェック手順があるか |
| 動画特化型の運用代行 | 1本あたり数千円〜数万円が多い | リール・ショート動画を増やしたい医院 | 台本段階で表現チェックが入るか |
| 総合型の運用代行 | 月額5〜20万円程度が多い | 広告やMEO(地図検索対策)もまとめたい医院 | 医療分野の担当経験があるか |
| フリーランス | 月額数万円〜が多い | 投稿本数が少なく院内で最終確認できる医院 | 規制知識と、確認の責任分担 |
| 内製(院内スタッフ) | 人件費のみ | 発信好きなスタッフがいる医院 | 担当者への研修と、院長の最終確認の時間 |
より詳しい判断軸はクリニック・歯科の選定基準5つにまとめています。
依頼先を見極める質問
商談では、次の質問をしてみてください。答え方で体制が分かります。
- 「患者の声やビフォーアフターは、どういう条件なら載せられますか」
- 「投稿前の表現チェックは、誰が、どの段階で行いますか」
- 「Google口コミの依頼方法について、助言の範囲はどこまでですか」
- 「規制違反の指摘を受けた場合、修正や削除はどう対応しますか」
- 「患者の写り込みや個人情報は、どうやって防ぎますか」
1の質問に「載せたほうが反応が取れます」とだけ答える会社は、慎重に判断してください。
頼むべき医院・頼まなくてよい医院
頼むべき医院は、院長に投稿を確認する時間がない、自由診療で表現の判断が難しい、撮影や編集まで手が回らない、といった状況です。
頼まなくてよい医院は、投稿が月数本で足り、院内に発信できるスタッフがいる場合です。表現チェックの手順だけ整えて、内製で始める選択もあります。
費用の見方
月額だけで比べず、1本あたりに直して比べます。たとえば月額10万円で投稿8本なら、1本あたり12,500円です。撮影・台本・表現チェックが含まれるかで、実質の単価は変わります。
余裕があれば、新患1人あたりの費用にも直してみてください。ただし来院数は診療科目・商圏・院内体制で大きく差があります。運用代行の成果は保証されるものではないため、数値の約束より、測り方を事前に決めておくことが大切です。
まとめ
- 患者にGoogle口コミの投稿を依頼することは、謝礼なし・全員に同じ案内であれば可能です
- 患者の体験談を自院のサイトやSNSで紹介することは、医療広告ガイドラインで禁止です
- 外部に運用を任せるなら、表現チェックの体制を最初に確認しましょう
次の一歩として、クリニック・歯科向けの各社比較表で、表現チェック体制の有無を見比べてみてください。
よくある質問
Q. 患者さんが自分のSNSに書いた感想を、医院が「いいね」するのは問題ですか。
A. いいね自体で直ちに広告になるとは言いにくいです。ただし公式アカウントでリポストや引用をすると、医院の発信として体験談を広めることになります。共有は控えるのが安全です。
Q. 治療の感想ではなく「受付が親切だった」という声なら紹介できますか。
A. 治療内容や効果に関わらない声であれば、扱いが異なる場合があります。ただし境界の判断は難しく、内容次第です。掲載前に、ガイドラインのQ&Aや専門家で確認してください。
Q. 口コミを書いてくれた方に、次回使える割引券を渡してもよいですか。
A. 避けてください。Googleのポリシーで、謝礼と引き換えの口コミは禁止されています。景品表示法のステマ規制の観点でも問題になります。
Q. 事実と異なる悪い口コミが書かれた場合はどうすればよいですか。
A. Googleビジネスプロフィールの管理画面から、ポリシー違反として報告できます。返信する場合は、診療内容や個人が特定される情報に触れず、落ち着いた表現にします。
Q. 運用代行会社に任せれば、規制対応も任せきりでよいですか。
A. 最終的な広告の責任は医院側にもあります。代行会社のチェック体制を確認しつつ、院長が最終確認する流れを作っておくと安心です。
費用や体制の違いは、クリニック・歯科向け 各社比較表で公式公開情報をもとに並べています。選び方の手順や依頼前のチェックリストが必要な方は、資料請求からお取り寄せください。比較表には株式会社HolyTechも1社として掲載しており、ショート動画は1本7,500円(税込)・初期費用0円です。条件が合う場合の選択肢の1つとしてご覧ください。
この記事について 業種別SNS運用代行ナビは株式会社HolyTechが運営する比較情報サイトです。当社もSNS運用代行を提供しており、比較表の1社として同じ基準で掲載しています。他社に関する記載は各社公式サイトの公開情報に基づき、順位付けはしていません。費用や成果は業種・商圏・体制で差があります。
クリニック・歯科の関連記事
- クリニック・歯科2026.10.13矯正歯科のインスタ運用を代行に頼む前に|保護者と成人で分ける設計
- クリニック・歯科2026.10.13クリニックのInstagram広告運用代行|審査落ちを防ぐ表現と費用
- クリニック・歯科2026.10.13眼科のSNS集客を外注する方法|ICL・白内障手術の情報発信の注意点
- クリニック・歯科2026.10.13美容クリニックのSNS運用代行は成果報酬で契約できる?注意点を解説
- クリニック・歯科2026.10.13歯科医院のSNS運用代行の選び方|契約前に聞きたい5つの質問
次に読む
比較表つきの選び方ガイドを無料でお送りします!
各業種の選定基準・依頼先タイプ別の費用レンジ・契約前に聞く質問をまとめた資料です。メールで即時にお送りします(株式会社HolyTech制作)。